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「CRISPR-Cas9」を応用、ヒト胚の遺伝子変異を修復 研究

マウスの胚幹細胞を使った研究に臨むフランス国立科学研究センターの研究員(2012年2月9日撮影、資料写真)。(c)AFP/ANNE-CHRISTINE POUJOULAT

マウスの胚幹細胞を使った研究に臨むフランス国立科学研究センターの研究員(2012年2月9日撮影、資料写真)。(c)AFP/ANNE-CHRISTINE POUJOULAT

【AFP=時事】中国の科学者らが、ゲノム編集技術「CRISPR-Cas9」の応用版を用いて、ヒト胚での遺伝子変異の修復を世界で初めて行ったとする研究論文がこのほど発表された。  

 中国・中山大学(Sun Yat-sen University)のチームが、CRISPR-Cas9を応用した今回の研究では、約30億ある塩基対の中の変異1つへの修復が行われた。CRISPR-Cas9では、塩基対の追加や削除、置き換えをピンポイントの精度で行うことができる。  

 オンライン科学誌「プロテイン・アンド・セル(Protein and Cell)」に掲載された論文によると、対象となった変異は、命にかかわる小児遺伝性血液疾患のベータサラセミア(beta-Thalassaemia)を引き起こすとされた。  

 研究チームは今回、Cas9タンパク質を「はさみ」として使用して変異した塩基を除去する代わりに、酵素を使用してこれを変更することを試みた。  

 塩基の置き換えは化学的に行われ、DNAを切り取る必要をなくしたものだ。およそ5回に1回の割合で成功したと報告されている。チームが使用したクローン胚は、研究室の実験目的のために数日間だけ生かされていた。  遺伝子改変技術をめぐっては、特定の長所を持ついわゆる「デザイナーベビー」につながるとして、一部からは批判的な意見が出ている。  

 米国の科学者らは8月、病気の原因となる遺伝子変異の修復にCRISPR-Cas9を初期のヒト受精卵に使用した成功例を報告している。また、英国の研究チームも先週、ゲノム編集技術を使った実験で、初期ヒト胚における「OCT4」遺伝子の役割を特定することに成功している。【翻訳編集】 AFPBB News |使用条件

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