2017年5月7日に行われた決選投票で、史上最年少でフランス大統領に選ばれたエマニュエル・マクロン氏。フランス内閣の経済・産業・デジタル大臣だった2015年10月に、「日仏イノベーション・イヤー開幕イベント」への参加などを目的として、当時のバルス首相らと共に来日している。このイベントに合わせて、デジタルガレージと在日フランス大使館貿易投資庁は、日仏のスタートアップ企業の交流を目的として「フレンチテック東京 第1回ピッチセッション」を共同開催した。マクロン氏は開幕のスピーチを行い、起業をめぐるフランスと日本の文化の共通点を上げながら、日本の起業家に向けて熱く語った。
マクロン氏は経済・産業・デジタル大臣として、フランスのスタートアップ企業の世界市場での存在感を高めることを目的とした「La French Tech」の活動支援などを通じ、フランスのスタートアップ企業を後押してきた。フランス政府としても国外の有望なスタートアップ企業を誘致するために、その従業員を対象にビザの優遇や資金援助などを行う「French Tech Ticket」と呼ぶプログラムを2015年から行っている。こうした取り組みもあって、フランスのスタートアップシーンはにわかに活性化している。ヨーロッパを拠点とするベンチャーキャピタルAtomicoの調査によると、フランス国内で出資を受けたスタートアップ企業は2011年に100社程度でその総額は3億3千米ドル程度だったが、2016年には約500社が総額で27億米ドルを調達したとみられる(Atomicoの資料)。
フランスにおけるスタートアップシーンを活性化した立役者とも言えるマクロン氏だけに、日本の起業家に向けたメッセージには重みがある。なお同氏は、米国の新大統領が環境問題に対する政策変更を表明した際に、気候変動の問題に取り組む米国の研究者や起業家、エンジニアに向けてFacebook上でメッセージを送っている。こちらも熱い。
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