Open Innovation Platform
FOLLOW US

「ポーカーフェースはもう終わり」 最新技術で感情見抜く TEDカンファレンス

カナダ・バンクーバーのTED会場入り口(2018年4月11日撮影)。(c)AFP PHOTO / Glenn CHAPMAN

カナダ・バンクーバーのTED会場入り口(2018年4月11日撮影)。(c)AFP PHOTO / Glenn CHAPMAN

「ポーカーフェースはもう終わり」 最新技術で感情見抜く TED

【本文】
【AFP=時事】音響記録・再生技術の研究、開発を行う米企業ドルビーラボラトリーズ(Dolby Laboratories)のポピー・クラム(Poppy Crum)主任研究員は、どんなに頑なに自らの感情を隠そうとしても、テクノロジーによって人々の本心が見透かされるようになる日はそう遠くないと話す。

 国際会議「TEDカンファレンス(TED Conference)」でプレゼンテーションを行った同氏は、人工知能(AI)の機能を持たせたセンサーを用いることで、人がうそをついていたり、夢中になっていたり、さらには暴力的になっていたりすることを見破ることができるとしながら、「ポーカーフェースはもう終わり。私たちは自分たちの感情をあらわにすることになる。もっとお互いのことを知ることになるでしょう」と語った。

 同氏によると、目の開き方は脳の働き具合を示し、皮膚から発せられる熱はストレスあるいは恋愛感情をかき立てられていることを示すサインとなる。さらに、吐き出される二酸化炭素の量で人や群衆のイライラ度が分かる。こうした微表情(マイクロエクスプレッション)や呼気に含まれる化学物質によって、その人の感情を読み取ることができるのだという。

 また、人が話をするタイミングから、その人に認知症や糖尿病、多発性硬化(症)、双極性障害のリスクがあるかどうかがわかる場合もあり、さらに、たとえ目の前にいる人を見ていたとしても、人の脳波を見ることで、その人の注意が本当はどこに向いているかが分かるという。

 こうした合図を読み取るためのテクノロジーと文脈におけるパターンと因子とを分析するAIとを合わせることで可能性は広がる。

 正しく使えば相手の感情への理解を深めることができ、相手を抑圧したり操ったりする目的で使えば、虐待を招くこともあると、クラム氏は指摘。「見方によってはとても怖いことだけれど、別の角度から見るととても素晴らしいことだ。私たちは、この割れた感情の橋渡しができる」と続けた。

■いつか訪れる世界

 クラム氏はいくつかの例を挙げた。一見元気そうな生徒も実は悩み抱えているということを学校のカウンセラーが把握できたり、ある人物の不審な行動が健康上の理由によるものなのか、それとも犯罪行為に起因するものかを警察が瞬時に理解できたりする。

 そして、デートアプリの利用者は、相手のプロフィールに目を通す代わりに、相手そのものをスキャンすることでその真意を知ることができ、またアーティストたちは、自身の作品に対する人々の感情や反応を知ることが可能になるだろう。

 その一方でクラム氏は、「他人が自分の情報を共有していることや、共有したくないことを他人に知られたりしていることに多くの人が快く思っていないことは理解している。私は、私生活が暴露される世界をつくりたいのではない。私は、より効果的に相手を思いやれる世界をつくりたいと思っている」と語る。

 また、テクノロジーによる恩恵がすべての人々に平等に行き渡り、一方で悪用を避けるためのルール作りを重視しているとしながら、「人々が気づかないといけないことは、こうした技術はすでに存在しており、そのような世界が(いつか)訪れるということ」「どうせ訪れるのであれば、自分らで管理できるようにしておいたほうがいい」とも話した。

「私たちは、これまでよりもっとお互いを知ることができるようになる。間違った理由ではなく、正当な理由でこのテクノロジーを使いたい」 【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件