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面接官はロボット? 人材探しにもAI革命の波

AIに関する討論会に登場したロボット(2017年7月12日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / ISAAC LAWRENCE

AIに関する討論会に登場したロボット(2017年7月12日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / ISAAC LAWRENCE

【AFP=時事】憧れの仕事を手に入れるために、あなたは電話で面接を受けることになっている。今、緊張でいっぱいだ。お茶をいれて電話が鳴るのを待つ。呼び出し音が3回鳴ったのを確認してから、受話器を取り上げる。

 ここで想像してみて欲しい。もしあなたの面接官が、ベラという名前のロボットだったらどうだろう。

 ロシアのスタートアップ企業「Stafory」の共同創設者、アレクセイ・コスタレフ(Alexei Kostarev)氏によると同社開発のロボット、ベラは人工知能(AI)アルゴリズムによって作動している。

 モスクワを拠点に活動しているコスタレフ氏はAFPの電話取材に対し「機械学習ですよ」と語った。ベラのプログラムには面接140万件の事例とオンライン百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」、さらに書籍16万冊を使ったという。

 電話面接の業務を開始した当初、ベラは台本にのっとって進めていたが、今は違う。「ベラは、志願者がどんな回答をしているか理解している」とコスタレフ氏。

 ベラには現在大手企業200社の顧客がいる。常にコストダウンを試みる企業にとってロボット面接官は魅力的な存在なのだ。そしてロボットを採用することで、思わぬ効果も期待できるという。「例えば(志願者たちが)求人内容について感想を述べる際、人に対しては言わないような、より正直な意見を話すこともその一つだ」

 AIの活用をめぐっては、採用プロセス全体の迅速化にも期待が寄せられている。

 米企業ジップ・リクルーター(ZipRecruiter)は、100サイトほどあるウェブページに求人広告が掲載されると同時に、リアルタイムで選考を行うサービスを売りにしている。一瞬のうちに、ジップ・リクルーターに登録した1000万人の求職者をアルゴリズムが検索し、応募要件に最も適合する人材を探し出す。

 採用側は上位に入った志願者たちのリストを入手でき、採用業務をはるかに短時間で完了することができる。また好ましい志願者について、人事担当者らが承認ボタンを押す仕組みになっており、時間がたてばたつほど企業が求めている人材像をアルゴリズムが認識するようになる。

■偏見を持つ危険も?

 このサービスは今のところ順調だが、もちろん懸念事項もいくつかある。その一つは、アルゴリズムの学習速度が速すぎ、どのようにして重要な選択を行ったのかを解明するのが難しいことだ。またロボットの学習がすべて人間の考えをよりどころとしていることを考えると、ロボットが差別や偏見といった弱点を免れ続けることはできないのではないかという不安もある。

 そうしたリスクに対応するためには、求人システムにおけるAIの役割を控えめに設定することだと、スタートアップ人材企業による連合体「LabHR」(在パリ)のジェレミー・ラムリ(Jeremy Lamri)氏は言う。「機械には何に注目すべきかを伝えるだけでいい。これには機械学習は必要ない」

 欧州を中心とする人材会社「バデノック・アンド・クラーク(Badenoch & Clark)」関連会社の幹部、ローラン・ダシルバ(Laurent da Silva)氏も、最初の選考は機械ができるとしても最終判断を下すのは常に人間だと話す。「私たちの私生活と一緒です。出会いはAIが助けることができるかもしれないが、最終的に『タンゴを踊るには本物の人間が2人要る』のです」 【翻訳編集】 AFPBB News |使用条件