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北欧の自動車ディーラー、EV販売に「後ろ向き」 調査

電気自動車(2017年9月13日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / Tobias SCHWARZ

電気自動車(2017年9月13日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / Tobias SCHWARZ

【AFP=時事】北欧諸国の自動車販売店の多くでは、自動車の購入希望者に対して電気自動車(EV)を買わないようセールス担当者が積極的に働き掛けるなど、その販売姿勢が後ろ向きであることが21日、覆面調査を実施した研究者らによって明らかにされた。

 調査報告書がエネルギー関連専門誌「Nature Energy」に掲載された。これによって、CO2排出を減らし地球温暖化対策で重要な鍵を握る電気自動車への見落とされていた障壁が暴露される形となった。

 研究者らは、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、アイスランド、フィンランドの自動車販売店82店に対し、購入希望者を装い126件の問い合わせを行った。

 今回の調査では、電気自動車(EV)に対する誹謗中傷、走行距離あるいは充電条件などの仕様に関する誤った情報の提供、さらにはEV車を選択肢から外してのセールスなど、対象となった販売店での驚くべき実情が明らかになった。

 報告書は、問い合わせの約3分の2で販売員がガソリン車またはディーゼル車の購入を強く促し、時には内燃機関搭載車のみを勧め、それと同時に「EV車を積極的に排除した」としている。また同4分の3以上で、販売員が電気自動車も同様に取り扱っていることを隠して話を進めたともされた。

 さらにある販売店では、購入者に財政的破綻をもたらすとの理由で、電気自動車を買わないよう「助言」がなされた。また別の販売店でも、問い合わせた車種ついて、実際の最高速度の半分にあたる「時速80キロまでしか出ない」との説明があった。

 米消費者情報誌「コンシューマー・リポート(Consumer Reports)」のデータに照らし合わせると、こうした購買意欲を失わせる行為は、実際の顧客の満足度に反するものであることがすぐにわかる。米国では、電気自動車の信頼性について、内燃機関車両よりも高く評価されているのだ。電気自動車は、ガソリン車やハイブリッド車と比べてその仕組みがシンプルで、故障を起こしたり定期的交換が必要な冷却システムやフィルター、点火プラグなどの部品も不要となっている。

■世界のEV販売台数、2017年は110万台

 ある業界関係者は、電気自動車の販売に消極的な理由について、低い利益幅、知識不足、取引成立までの時間が長くなりがちといったことがあると指摘する。

 電気自動車に対する姿勢はそれぞれの国によって異なっているが、それを普及させるための国の政策の違いによるところも大きい。

 電気自動車に最も優しい国はノルウェーだ。研究者らによると、同国では電気自動車のドライバーに対し、補助金やバス専用車線の使用許可、駐車料金の免除といったインセンティブを用意している。電気自動車の普及が世界的にも進んでいる同国では、全乗用車の5%はプラグイン電気自動車(PEV)で、2017年の新車販売台数の約40%がPEVだった。

 これに比べ、昨年のスウェーデンにおけるPEVの市場シェアは同5%で、デンマークは同0.5%だった。

 電気自動車の販売台数は2016年の70万台から昨年は110万台となっている。【翻訳編集】 AFPBB News |使用条件