Open Innovation Platform
FOLLOW US

音声ショッピング、次なる小売り革命は「スタートレック」のよう

アマゾンの人工知能「アレクサ」が搭載されたスマートスピーカー(撮影日不明、資料写真)。(c)AFP PHOTO / Amazon.com, Inc

アマゾンの人工知能「アレクサ」が搭載されたスマートスピーカー(撮影日不明、資料写真)。(c)AFP PHOTO / Amazon.com, Inc

【AFP=時事】「ねえ、グーグル、Lサイズのピザを頼んで!」「アレクサ、ビタミン(サプリ)が欲しいなあ!」

 人口知能(AI)アシスタント機能を持つスマートスピーカーとスマートフォンを使った音声ショッピングが、消費者の間で人気となりつつある。音声ショッピングは「会話型コマース」の新たな流れをつくり、小売業界を破壊することになるかもしれない。

 米アマゾン・ドットコム(Amazon.com)のAIアシスタント「アレクサ(Alexa)」を搭載したスピーカーや、グーグル(Google)の「グーグルホーム(Google Home)」は、音声コマンドに応答するAIを用いており、商品やサービスを注文するさらに便利な方法を探し求める消費者に新たな選択肢を与えている。

 国際コンサルタント会社、OC&Cストラテジー・コンサルタント(OC&C Strategy Consultants)の今年の調査によると、米国の音声ショッピング市場は現在20億ドル(約2200億円)規模だが、2022年までには40億ドル(約4400億円)規模へと急拡大が見込まれている。

「受け入れられている点は、その利便性と声を使った自然なやりとりだ」と、米インターネット調査会社イーマーケター(eMarketer)のビクトリア・ペトロック(Victoria Petrock)氏は言う。「コンピュータの操作全般が、音声インターフェースの方へとシフトしつつある。より低コストになってきているし、タイピングする必要がないのでユーザーの反応がいい」

 イーマーケターの最近の調査では、回答者の36%が、アマゾンのAIスピーカー「エコー(Echo)」など家庭用AIアシスタントの利用に前向きだった。またOC&Cによると、音声ショッピングが最もよく利用されている買い物のカテゴリーは食品、エンターテインメント、家電、衣料品だという。

 また音声ショッピングで最も売れ行きがいいのは、利用者が以前にも購入したことがあるような、いわば「熟考を必要としない商品」だと、仏ITコンサルティング会社、キャップジェミニ(Capgemini)の取締役副社長、マーク・テイラー(Mark Taylor)氏は言う。ただし、音声アシスタントに人々が慣れてくるにつれて、保険や金融商品など「より熟考を要する商品」の売れ行きも伸びる可能性があると同氏はみている。

■次なる破壊的変革

 音声ショッピングで鍵となってくる要素は、各社のAIアシスタントの応答のトーンやパーソナリティーで、それが各社のイメージやブランドの確立に一役買う。

 企業向けプラットフォームを開発する米ITソリューション企業、ライブパーソン(LivePerson)の取締役副社長、マンリオ・カレリ(Manlio Carrelli)氏によると、「会話型インターフェース」は一定の状況下で圧倒的に強いという。

「つまりは、スター・トレックだ」と同氏はAFPに述べた。「ただ、自分が欲しいものを言うだけで、それが手に入る。その後ろのからくりがどうなっているかなんて、消費者は気にしない。ただ欲しいものを手にできればいいんだ」

 カレッリ氏いわくこうしたシステムは、販売だけではなくカスタマーサービス的にも重要だ。コールセンターを減らして大きくコストダウンできる。

 米小売り大手ウォルマート(Walmart)はアマゾンとの競争の一環としてこのほど、テキストメッセージ経由で商品を注文するショッピングサービス「ジェット・ブラック(Jetblack)」を開始した。このサービスでは、AIだけでなく、専門家も商品についての提案を行う。ウォルマートは、音声ショッピングを基本とした即日宅配サービス「グーグル・エクスプレス(Google Shopping Express)」にも出品している。

 OC&Cのレポートによると、アップルの音声アシスタント「シリ(Siri)」は、その機能面においてグーグルアシスタントに一歩リードを許しており、音声ショッピングの分野でも遅れている。スマートスピーカー「ホームポッド(HomePod)」もようやく出回り始めたばかりだ。

 他方で、米SNSのフェイスブック(Facebook)もスマートスピーカーをリリースするとの憶測も広まっており、一部のアナリストらは、音声ショッピング市場への参入は今後も増えるとみている。

 OC&Cのジョン・フランクリン(John Franklin)氏はこう語る。「音声ショッピングは、小売業界における次なる破壊的変革を示している。電子商取引やモバイル商取引が小売業界の状況を一変したように、スマートスピーカーを通じたショッピングも変革をもたらすだろう」 【翻訳編集】 AFPBB News |使用条件