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ITバブル崩壊の再来はあるか? 専門家はこう見る

パリ市内で撮影された、タブレット端末パネルに表示されているグーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルのアプリ(2018年4月19日撮影、資料写真)。 (c)AFP PHOTO / Lionel BONAVENTURE

パリ市内で撮影された、タブレット端末パネルに表示されているグーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルのアプリ(2018年4月19日撮影、資料写真)。 (c)AFP PHOTO / Lionel BONAVENTURE

【AFP=時事】アップル(Apple)の時価総額が先日1兆ドル(約110兆円)を突破したことからも分かる通り、米シリコンバレー(Silicon Valley)のIT大手は、米株式市場に絶大な影響力を及ぼすようになっている。

 だが、果たして我々は、ITバブルが近く再び崩壊する可能性を警戒する必要はあるだろうか? IT業界をめぐる幾つかの疑問を検討してみた。

■IT銘柄が株式市場を席巻するのは問題か?

 アップルは米企業として初めて、時価総額を1兆ドルの大台に乗せて先週の取引を終え、歴史に名を刻んだ。時価総額2~5位もIT大手で、アマゾン・ドットコム(Amazon.com)が8890億ドル(約99兆円)、グーグル(Google)の親会社アルファベット(Alphabet)が8560億ドル(約95兆円)、マイクロソフト(Microsoft)は8280億ドル(約92兆円)、フェイスブック(Facebook)は5130億ドル(約57兆円)を付けた。

 5社の時価総額合計は、米国内総生産(GDP)の約2割に達し、ドイツのGDPを上回った。

 英投資会社AJベル(AJ Bell)の投資ディレクター、ラス・モールド(Russ Mould)は、株価の大暴落を招いたドットコム・バブル崩壊に数か月先立つ1999年末に、マイクロソフトを筆頭とする市場上位5社の時価総額合計が米GDPの15.5%を占めた点を指摘。主力テクノロジー銘柄の暴落は予測していないと前置きつつ、現在の状況は「今うまくいっていることが永遠にうまくいくとやみくもに思い込むのは危険だと警告している」と述べた。

■20年前のITバブルと異なる点は?

 20年前は、創業間もないスタートアップ企業がウェブサイトを開設さえしていれば、事業計画が明確でなくても投資家が手当たり次第に資金を提供した。「こうした企業の大半には収益がなく、売り上げすらもなかったが、非常に高い評価額で資金を調達していた」と、米投資会社タワー・ブリッジ・アドバイザーズ(Tower Bridge Advisors)のポートフォリオ・マネジャー、マリス・オッグ(Maris Ogg)氏は言う。「インターネットやITの未来に、誰もが期待していた。だが、20年ほど早すぎた」

 ベンチャーキャピタルはドットコム・バブル崩壊以降、収益性のしっかり見込める事業計画を持たないスタートアップ企業への投資を避けるようになった。また、オッグ氏によるとITバブル崩壊を機に、IT大手を「懐疑的に見る健全さ」が大いに広がったという。2000年代初頭には見過ごされていた株価収益率(PER)も、改めて重視されるようになっている。

■ハイテク業界の主なリスクは?

 グーグルやフェイスブックといったIT大手は、圧倒的な影響力を持つがゆえに当局の規制や制裁の標的となっている。この点は、成長鈍化や収益悪化を招くリスクといえる。投資家は投資ポートフォリオを定期的に見直し、急成長IT企業の比率が大きくなりすぎないよう留意する必要がある。結局、どんなIT企業も後発企業に追い越されるリスクを抱えている。

「あらゆるIT企業は、自社より少しでも賢明な同業他社にかき回されることには弱い」と米資産運用会社ブラックロック(BlackRock)のグローバル資産配分チームのポートフォリオ・マネジャー、ラス・ケステリッチ(Russ Koesterich)氏は分析する。

 ケステリッチ氏は具体例として、スマートフォン市場では金融危機の際にフィンランドのノキア(Nokia)が市場シェア45%を誇っていた一方、アップルの「iPhone(アイフォーン)」は発売から1年を迎えたばかりで、フェイスブックも産声を上げた直後だったと指摘。その上で「(ハイテク)業界の収益性は、飛びぬけて高い状況が続く。真逆の観測もあるが、時価総額は妥当な水準だ」との見方を示した。【翻訳編集】 AFPBB News |使用条件