Open Innovation Platform
FOLLOW US

仮想通貨ビットコイン誕生から10年、波乱の道のり

仮想通貨ビットコインのビジュアル・レプリゼンテーション。イスラエル・テルアビブにある「ビットコイン・チェンジ」ショップにて(2018年2月6日撮影。資料写真)(c)AFP/ JACK GUEZ / AFP

仮想通貨ビットコインのビジュアル・レプリゼンテーション。イスラエル・テルアビブにある「ビットコイン・チェンジ」ショップにて(2018年2月6日撮影。資料写真)(c)AFP/ JACK GUEZ / AFP

【AFP=時事】仮想通貨ビットコイン(bitcoin)は、2008年10月31日に誕生した。あれから10年が経過したが世界初の仮想通貨は今でも、複雑な金融システムの最先端にあり、市場関係者や投資家は用心深く見守っている状況だ。

 ビットコインは、世界金融危機のさなかに登場した。サトシ・ナカモト(Satoshi Nakamoto)と名乗る人物によって書かれた論文が、ビットコインのビジョンを伝えたのがきっかけとなった。

 1ビットコイン当たりの価値はほぼゼロからスタートした。しかし今では、約6400ドル(約72万円)にまで上昇している。論文を要約すると、ビットコインは、「純粋なP2P(ピア・ツー・ピア)電子マネーによって、金融機関を通さずに、直接的に互いのオンライン取引を可能にする」ものだ。

 ビットコインは、ブロックチェーンとして知られる分散型台帳システムを通じて運用されている。

 2008年9月、米証券大手リーマン・ブラザーズ(Lehman Brothers)が経営破綻したことが、仮想通貨の拡大に寄与した。2011年にフランス初のビットコイン取引所を創設したピエール・ノワザ

(Pierre Noizat)氏は、リーマンの破綻は、「少数のエリート銀行家が作った金融の規則を全ての人に課す」という伝統的な金融システムの信用を失墜させる出来事だった、と指摘する。

 誕生から数年間は、ビットコインが一般の人に広く知られることはなく、一部の愛好家やマネーロンダリング(資金洗浄)の手段を探していた犯罪者の注意を引いただけだった。

 2013年に1ビットコインの価格が初めて1000ドル(約11万3000円)を超えると、金融機関の関係者らが注目し始めた。

 欧州中央銀行(European Central Bank)はビットコインを、投資詐欺の一手法である「ポンジ・スキーム(Ponzi scheme)」と呼び、相手にしなかったが、当時の米連邦準備制度理事会議長ベン・バーナンキ(Ben Bernanke)氏は、その可能性を評価していた。

■大荒れの道のり

 2014年初め、仮想通貨は誕生以来最大の危機に直面した。一時はビットコイン取引の約80%を担っていたマウントゴックス(Mt. Gox)が、ハッキングの被害を受けたのだ。

 事件により急落したビットコインの価格は、2017年初めまで戻らなかった。

 しかし、ノワザ氏によると、この事件で一気に流れが変わったという。何かと物議をかもすビットコインではあったが、ブルームバーグ(Bloomberg)のデータによると、その価格は2017年末には1万9500ドル(約220万円)まで一気に上昇した。

 仮想通貨専門のウェブサイト「コインマーケットキャップ(Coinmarketcap)」によると、この時、ビットコインの時価総額は3000億ドル(約34兆円)を上回ったとされる。

 バブル崩壊前の2018年1月までに、仮想通貨全体の時価総額は8000億ドル(約90兆円)を超えた。

 仮想通貨のアナリスト、ボブ・マクダウォール(Bob McDowall)氏はAFPの取材に、仮想通貨のコンセプトは相当進化したが、これはひとえにビットコインの功績とも言えると述べ、これまでに約2000種類の仮想通貨が誕生したことにも触れた。「それは技術的、経済的なイノベーションを超えた。一部の人にとってはもはや宗教的でもある」

 仮想通貨ファンド、スイスボーグ(Swissborg)の共同創設者、アントニー・ルゾワミエ(Anthony Lesoismier)氏も、「実際の革命は哲学的レベルで起きている」とコメントしている。

 だが、経済学者のヌリエル・ルビーニ(Nouriel Roubini)氏は、仮想通貨が中央集権化されていないというのは神話にすぎないと指摘する。同氏は、「そのシステムは北朝鮮よりも中央集権化されている。マイニング(採掘)と取引所は中央集権化され、デベロッパーも中央集権化された独裁者たちだ」とツイッター(Twitter)に投稿したメッセージで持論を述べた。

■既存の金融システムの一部にも

 ビットコインの初期のアイデアは決済を容易にすることだったが、それよりも価値の保存のため手段、さらにはその変動性の大きさから投機手段として主に利用されていると専門家の多くはみている。

 米証券取引委員会(SEC)は、ビットコインが投資対象に含まれる上場投資信託「ビットコインETF」の上場申請を承認するかどうか現在、検討している。もしSECが申請を認めれば、ビットコインは、これまで避けようとしていた既存の金融システムの一部に取り込まれてしまうことになる。

 それでもルゾワミエ氏は、一般の人の関心を引き、信頼を得るためには、「短期間でいくつかの橋を渡らなければならない」と話し、ビットコインに対しては、理想と現実が入り混じっているとのスタンスであることを明らかにした。【翻訳編集】 AFPBB News |使用条件