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人の心がわかる? アリババのAIアシスタント

「2017杭州・雲栖大会」で発表された達磨院の設立(2017年10月11日撮影、資料写真)。(c)CNS/許康平

「2017杭州・雲栖大会」で発表された達磨院の設立(2017年10月11日撮影、資料写真)。(c)CNS/許康平

【AFP=時事】このほど開催された国際学術会議「NIPS(神経情報処理システム大会)」で、阿里巴巴(アリババ、Alibaba)の科学研究部門であるアリババ達磨院(DAMO)」の研究者が、宅配の分野で使われ始めた人工知能(AI)音声技術のプレゼンテーションを行った。

 アリババ系物流プラットフォーム「菜鳥(Cainiao)」で使われているAI音声アシスタントは、約30秒間で、顧客に話の腰を折られたり、顧客の考えが途中で変わったり、顧客に沈黙され反応がなかったり、といった状況の中でも柔軟に対応し、配達先住所の変更手続きを完了させた。

 これに先立ち、米グーグル(Google)は5月、人間に似せた音声アシスタント「デュープレックスDuplex」を発表し、顧客のレストラン予約の手伝いをするAIに業界で多くの注目を集めていた。

 世界的に権威のある学術誌「MIT Technology Review」によると、アリババのプレゼンの中で起きた一幕は、人と機械の音声交流の新たな一歩となったという。

 AIが顧客に「明日の朝配達で良いか」と尋ね、顧客が「朝は家にいない」と答えると、AIは直接「はい」あるいは「いいえ」と答える代わりに、隠れた人間の意図を読んで、次なる行動を取ったのだ。

 同誌は「人間同士の対話の中では普遍的にあることでも、ロボットは往々にしてうまく対応できない。プレゼン効果から見ると、アリババのAI音声アシスタントはうまく対応できていた」と、アリババのAI音声技術力がすでにグーグルを追い抜いた、との評価を示した。

 このほか、アリババのAI音声アシスタントは、ロボットと人間の交流の中で、言葉を「話したり聞いたり」するだけでなく、人間の語気、語調、速さを学習してまねることにより、対話の過程で人間が相手をロボットと話していると感じさせないという。5月にアリババが中国でこの技術を披露した際には、会場の観衆はまるで本物の人間と同じだと驚いたものだった。

 今年の中国の「双11(独身の日)」の期間、このAI音声アシスタントは数百万人の顧客にサービスを提供した。「菜鳥」のデータによると、配達員1人は1日に約150〜200個の荷物を配達し、1回の電話に30秒〜1分間かかると計算すると、1日に電話だけで3時間話をしている計算だ。AI技術の活用によって、配達員の時間を短縮し、仕事の効率を高めることができるというのだ。

 アリババは現在、この技術が悪用されてロボットによる詐欺行為を防止するため、使用範囲を制限しているという。

 プレゼンテーションで紹介された対話の全記録は以下の通り。

AI:こんにちは。今日の午前、文一西路588のあなた宛てにZT宅配便の荷物をお届けする予定ですが、ご都合はよろしいですか?

客:どちらさんですか?

AI:私は「菜鳥」の音声アシスタントです。配達員が荷物をお送りする前に確認のため電話をしております。

客:午前中は家にいないですよ。

AI:では、荷物を受け取れる場所を教えていただけますか? 配達員に伝えますので。

客:荷物の中身は何ですか?

AI:送り状には「印刷物」と書かれています。

客:うーん。では、マンションの管理人のところに願います。…いやいや。ちょっと待って、やっぱり、うちの玄関に置いていって。

AI:玄関の前ですか?

客:…(沈黙)

AI:もしもし、どうされましたか? 玄関の前に置くということでよろしいですか?

客:OK。 客:おっと。そうだ、ZTの宅配便はもう一つあったはずだけど、今日配達できる?

AI:少々お待ちください。あなた宛てにZT宅配便の荷物がもう一つありますが、配達は明日になる予定です。

客:ありがとう、じゃあよろしく。

AI:はい、ありがとうございました。

【翻訳編集】 AFPBB News |使用条件