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実現は近い? 活気づく「空飛ぶ車」の開発 米家電見本市CES

米シリコンバレーで、空飛ぶ車のプロペラのモデルを持って立つNFTの共同創業者ガイ・カプリンスキー氏(2018年12月18日撮影)。(c)Glenn CHAPMAN / AFP

米シリコンバレーで、空飛ぶ車のプロペラのモデルを持って立つNFTの共同創業者ガイ・カプリンスキー氏(2018年12月18日撮影)。(c)Glenn CHAPMAN / AFP

【AFP=時事】米ネバダ州ラスベガス(Las Vegas)で8日から11日まで、世界最大級の家電見本市「国際コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(International Consumer Electronics Show、CES)」が開催される。

 ラスベガスの目抜き通り「ラスベガス・ストリップ(Las Vegas Strip)」を、空飛ぶ車の試作品が飛び交う姿はまだ見られないが、CESには空飛ぶ車の開発を手掛けるさまざまな企業が顔をそろえる。

 カプリンスキー真紀(Maki Kaplinsky)氏とガイ・カプリンスキー(Guy Kaplinsky)氏夫妻が共同で設立したスタートアップ企業NFTは、イスラエルと米カリフォルニア州で陸空両用の空飛ぶ車の開発を行っており、CESではそのコンセプトを紹介する予定だ。

 試作品の組み立てが行われている米シリコンバレー(Silicon Valley)でAFPの取材に応じたガイ氏は、「われわれのデザインは魅力的で、低価格の大衆車となったフォード・モデルT(Ford Model T)のような空飛ぶ車の開発が可能になると信じている」と語った。

 NFTでは、ベテランの航空エンジニアのチームが、イスラエルにある施設で研究開発に取り組んでいるが、職員の数を現在の15人から拡大することも計画している。

 ハードウエアとソフトウエアの設計はNFTが手掛けるが、大量生産を可能にするため複数のOEM企業の協力を得るという。ガイ氏は、「私たちは技術面に時間を費やし、組み立ては複数の企業と提携する予定だ」と語った。

 NFTの空飛ぶ車の価格は推定5万ドル(約540万円)で、車としての機能もあるが、垂直離着陸と自動飛行も可能。

 現在、米配車サービス「ウーバー(Uber)」や米グーグル(Google)の共同創業者ラリー・ペイジ(Larry Page)氏が支援するスタートアップなど複数の企業が、人が乗れるドローンなど空飛ぶ車の開発を行っている。

 日本では有志団体「カーティベーター(Cartivator)」が、2020年東京五輪の開会式に空飛ぶ車で聖火台に火を灯すという目標を掲げ、空飛ぶ車「スカイドライブ(Skydrive)」の開発を進めている。また、トヨタ自動車(Toyota Motor)は「トヨタの空飛ぶ車」の縮小レプリカをCESで展示する予定だ。

■限られる用途

 NFTは、空港もヘリポートも必要ない、飛行機と自動車が一体となった製品を目指している。「私たちはドアツードアの移動を提供したい」とガイ氏は説明する。

 同社の空飛ぶ車は電動で、航続距離500キロ、走行距離100キロを目指しており、スマートフォンの地図アプリをクラウド上のナビゲーションセンターとつなげれば、離陸場所を案内したり、陸上での自動運転の指示をしたりすることも可能となるという。

 同社は、早ければ2024年にも米連邦航空局(FAA)の許可を取得し、来年末には試運転を実施できると見込んでいる。

 ガイ氏は、長期的には、空飛ぶ車は自家用車としてではなくライドシェア(相乗り)の一形態として活用されるのではないかと考えている。

 米調査会社ガートナー(Gartner)の自動車アナリスト、マイク・ラムジー(Mike Ramsey)氏は、自律飛行する乗り物の実現は近いが、現在人々が利用している移動手段への影響はないだろうと語る。

 同氏は、価格や規制、バッテリーの寿命などは、空飛ぶ車が直面する問題のほんの一部に過ぎないと指摘する。「空飛ぶ車で移動しているのが1人だけなら素晴らしいと思えるが、一つの都市で500人もが空飛ぶ車で飛び回っていたら大混乱となる。自動車のような一般的な移動手段になることはないだろう」

 ラムジー氏は、空飛ぶ車は低価格で利用できる、医療用ヘリコプターや軍事輸送の代替や起伏の激しい地方への移動手段として活用できると指摘した。【翻訳編集】 AFPBB News |使用条件