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今年の売りは「個人情報保護」 米家電見本市CES

世界最大級の家電見本市「国際コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」開幕の準備が進められる米ネバダ州ラスベガスのモノレール駅(2019年1月6日撮影)。(c)Robyn Beck / AFP

世界最大級の家電見本市「国際コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」開幕の準備が進められる米ネバダ州ラスベガスのモノレール駅(2019年1月6日撮影)。(c)Robyn Beck / AFP

【AFP=時事】米ネバダ州ラスベガス(Las Vegas)で8日から始まった世界最大級の家電見本市「国際コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(International Consumer Electronics Show、CES)」に、米アップル(Apple)は今年参加していない。だからといってアップルが、このテック業界の一大見本市を訪れる人々にアピールする機会をみすみす逃すわけはない。

 アップルが、期間中に会場を訪れる十数万人の目に入るように設置した巨大な広告は、主力商品のスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」に関するものだ。書かれているキャッチコピーは、「iPhoneで起きることは、iPhoneから出ていかない」。

 今、メーカー各社は個人情報流出スキャンダルに神経をとがらせ、プライバシーを尊重する姿勢を強調しようと躍起になっている。個人情報が流出する可能性を少しでも減らすために、ルーターの保護対策を強化する手段を打ち出すか、インターネット接続を必要としないサービスを提案する企業もある。

 個人情報流出スキャンダルは「私たちにとってはクリスマスプレゼントのようなもの」と言うのは、米イリノイ州シカゴのプライバシー保護製品メーカー、ウィンストン・プライバシー(Winston Privacy)の創業者リチャード・ストークス(Richard Stokes)氏だ。一連のスキャンダルによって、セキュリティーに対する消費者の意識が高まったからだという。

 コンサルティング会社クリエーティブ・ストラテジーズ(Creative Strategies)のアナリスト、キャロライナ・ミラネージ(Carolina Milanesi)氏は「接続されるものが増えれば増えるほど、セキュリティーの問題が話題になり、個人情報を保護するにはどうしたらいいか、真剣に検討されるようになる」と話す。  米インターネット調査会社イーマーケター(eMarketer)によると、スマートスピーカーを持っている米国人は推計7400万人に上る。市場シェアの大部分を占めているのは、アマゾン・ドットコム(Amazon.com)とグーグル(Google)だ。

■スマートスピーカーの「盗み聞き」への懸念を新ビジネスに

 スマートスピーカーに関する消費者側の懸念の一つは、スマートスピーカーに常に「盗み聞き」されていて、プライバシーが危険にさらされているのではないかという点だ。  今回のCESでスタートアップ企業「Smarte」が発表したスマートスピーカー、「ミュート(Mute)」は、プライバシー保護機能が搭載され、スマートスピーカーに対する質問以外の会話を拾わないようになっている。

 またフランスのスタートアップ企業スニップス(Snips)は、インターネットに接続せずにデバイスにインストールできる独自のデジタルアシスタントを提案している。  同社創業者のランド・ヒンディ(Rand Hindi)氏は、「消費者がわが社に注目しているのは、巨大IT企業に依存したくないからだ」と語る。

 円滑なIT環境構築のためにはユーザーのデータが必要だとするIT企業の主張はうそだと、ヒンディ氏は言い切る。「彼らが個人情報を必要とする唯一の理由は、ターゲティング広告の効果を最大限にするためでしかない」

 米ITコンサルティング会社テックナリシス・リサーチ(TECHnalysis Research)のアナリスト、ボブ・オドネル(Bob O'Donnell)氏は、フェイスブック(Facebook)をはじめとする昨年の一連の個人情報流出事件によって、プライバシーと個人情報保護にまつわる問題を意識し始める企業が増えたと語る。

「個人情報保護の問題がどれほど巨大で広範に及ぶか、私たちは今、痛切に感じ始めている」【翻訳編集】 AFPBB News |使用条件