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IBMの討論AI、ディベート王者に敗北も「言語習得」へ重要な節目

BMのロゴ(2016年1月6日撮影、資料写真)。(c)Ethan Miller / GETTY IMAGES NORTH AMERICA / AFP

BMのロゴ(2016年1月6日撮影、資料写真)。(c)Ethan Miller / GETTY IMAGES NORTH AMERICA / AFP

【AFP=時事】米IBMは12日、複雑な話題について人間と討論できる人工知能(AI)システム「プロジェクトディベーター(Project Debater)」が人間のディベート王者と公開生討論を行い、敗北したことを明らかにした。だが、同社は今回の討論について、コンピューターに人間の言語を習得させる取り組みで重要な節目になったと述べている。

 IBMのブログによれば、今回の対戦は会場とインターネット中継で多くの観衆が見守る中で行われ、プロジェクトディベーターにとって初めての機会となった。また、同社は対戦相手のハリシュ・ナタラジャン(Harish Natarajan)氏について、ディベート大会での勝利数の世界記録保持者だと紹介した。

 公開討論は11日、サンフランシスコで行われた。対戦のテーマは、就学前教育に対する助成金支給の是非についてで、双方に15分の準備時間が与えられた。

 プロジェクト・ディベーターは支給に賛成する立場から議論を展開し、助成金は社会の最貧困層を助けるため重要な手段だと主張。一方、反対の立場のナタラジャン氏は、助成金は貧困解消に向けた抜本的な取り組みにはならず、中間層を狙った「政治的動機に基づくばらまき」だと訴えた。  聴衆の賛否は、討論開始前の賛成79%、反対13%に対し、終了後はそれぞれ62%、30%に変化。ナタラジャン氏がより多くの人の意見を変えさせることに成功し、勝者となった。

 IBMリサーチ(IBM Research)を統括するダリオ・ジル(Dario Gil)氏は、今回の討論で重要なことは勝敗ではなく、「限りなく複雑で豊かな人間の言語の世界を自分のものにできる」AIをつくり出すことだと述べた。

 IBMはこれまで、コンピューター「ワトソン(Watson)」でチェスの世界的名人に勝利したほか、テレビのクイズ番組で優勝してきた。今回の対戦は、同社のAI開発における新たな課題を示すものとなった。【翻訳編集】 AFPBB News |使用条件