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「人工肉」「培養肉」「クリーンミート」? 白熱する肉代替食品の呼び方論争

米首都ワシントン中心部の移動式屋台で売られているベジタリアン・バーガー(2017年11月1日撮影)。(c)ERIC BARADAT / AFP

米首都ワシントン中心部の移動式屋台で売られているベジタリアン・バーガー(2017年11月1日撮影)。(c)ERIC BARADAT / AFP

【AFP=時事】推進派は肉の代替食品を「スローターフリー(食肉解体をしていない肉)」や「クリーンミート」などと呼んでいるが、従来の食肉業界の人々は、そのような呼び名はただの「フェイク」だと考えている。

 一つだけ確かなことは、植物性にせよ動物の細胞を原料にしたものにせよ、新たな食肉の代替食品をどう呼ぶべきかという論争は、決着からは程遠いという点だ。  ペトリ皿で幹細胞から培養した肉の代替食品を使ったハンバーガー「フランケンバーガー」が話題になったのは2013年だった。当時は「ラボミート」「人工肉」「培養肉」といった言葉が使われた。後に「クリーンミート」という言葉が登場し、最近になって「細胞肉(純肉)」という呼び名が使われるようになった。

■ステーキというよりは「筋繊維の塊」

 消費者の食欲を刺激するには、どういう呼び名が最適か。動物性食品の代替製品を推進する「グッド・フード・インスティテュート(Good Food Institute)」は昨年9月、さまざまな呼び名についての考察を研究した37ページにわたる報告書を発表した。

 米国では新たな食品が市場に出回る際は、農務省(USDA)が呼び方を決める。業界最先端のスタートアップ企業によると、食肉の代替製品は早ければ2021年にも店頭に並ぶ予定だ。

 一方、フランス国立農学研究所(INRA)の研究員、ジャンフランソワ・オケット(Jean-Francois Hoquette)氏は、幹細胞から作られている肉の代替食品について、現時点ではむしろ「筋繊維の塊」であり、サーロインステーキやローストチキン、ポークチョップには程遠いと語った。

■ミルクの二の舞は踏まない

 米国の肉牛生産者らは、乳製品生産者らの二の舞を踏まないよう動き出している。乳製品業界は、アーモンドやココナツなど乳製品を使っていないのに「ミルク」の呼称を使用しているベジタリアン向け商品の台頭に直面している。

 米国肉牛生産者協会(USCA)は、「肉(ミート)」という単語は従来の方法で繁殖・飼育・解体された動物由来の肉に限定して使用すべきだと主張しており、「細胞培養技術使用食品」や「代替タンパク質」といった呼称を使用するよう推奨している。

 一方、全米肉牛生産者・牛肉協会(NCBA)は、細胞培養製品の正確な組成がまだ不明だとして、見解を示しかねている。ただ、あるNCBA幹部は、「クリーンミート」のように従来の食肉を「汚い」ものだと示唆し、その評判を傷つけるような含みがある、科学的事実に基づかない呼称は支持しないと述べている。

■各国の現状

 肉の代替食品をめぐる議論は、政治の世界にも広がっている。米ミズーリ州は昨年、全米50州で初めて、肉とは動物由来の製品であると公式に定義した。同様の法案が現在、全米で審議されている。

 フランス下院では、植物を主原料としながらも「ステーキ」や「ベーコン」、「ソーセージ」といった呼称を使っている製品を対象とした修正法案を可決。上院でいったんは否決されたものの再び審議が行われている。

 ドイツでは「代替肉」や「模造肉」といった言葉が広まっているが、農業省は昨年、該当製品のパッケージに「ベジタリアン」または「ビーガン」と明記し、使用されている代替原料を表示するよう勧告した。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件