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3Dバイオプリンターで心臓を生成する画期的技術、米科学者

3Dバイオプリンターを使用してコラーゲンから作り出した心臓弁。米カーネギーメロン大学提供(撮影日不明)。(c)AFP PHOTO / Carnegie Mellon University College of Engineering

3Dバイオプリンターを使用してコラーゲンから作り出した心臓弁。米カーネギーメロン大学提供(撮影日不明)。(c)AFP PHOTO / Carnegie Mellon University College of Engineering

【AFP=時事】3Dバイオプリンターを使用して、機能し得る心臓の一部分をコラーゲンからつくり出すことに成功したとの研究結果が1日、発表された。この画期的技術を用い、将来的には心臓全体も生成できる可能性があると研究チームは述べている。

 米科学誌サイエンス(Science)に掲載された米カーネギーメロン大学(Carnegie Mellon University)の研究チームの論文によると、この技法は人体に最も多く含まれるタンパク質のコラーゲンを使用して、細胞外基質として知られる生物学的構造物を過去最高レベルの精密さで複製するというもの。

 構造物は、プラスチック構造物の生成に用いられる大半の3Dプリンターをはるかにしのぐ20マイクロメートルという精度でつくられ、生細胞および毛細管に埋め込まれる。

 研究チームは、磁気共鳴画像装置(MRI)で撮影した人間の心臓の画像を使い、患者固有の心臓の一部を複製。それを用い、心臓の鼓動の同期や心臓弁の開閉のなどの結果を得ることに成功した。

 論文の共著者のアダム・ファインバーグ(Adam Feinberg)教授(生物医用工学)は、AFPの取材に「これが示しているのは、実際にコラーゲンから心臓弁を3D印刷できるということだ」と話した。

「まだ心臓弁を動物の体内には入れてはいないが、人体の血圧と血流量をモデル化できるシステムを構築し、そこで心臓弁が上手く機能することを示した」

 同研究には関与していない米タフツ大学(Tufts University)の生物医用工学者のクイーニー・ダスグプタ(Queeny Dasgupta)氏とローレン・ブラック(Lauren Black)氏はサイエンスに掲載された論評で、この新技法が生成する構造物は、細胞の生存率を大きく引き上げ、新たな血管の形成を大幅に増進させるものだと指摘している。一方で、今後は機能的帰結の向上が必要で、究極的目標は1マイクロメートルというさらに高い精度の実現だと述べている。

 長期的には、同技法を使用して機能する心臓や他の臓器を印刷できる可能性がある。現在、米国では約4000人が心臓移植の待機中で、世界では数百万人が心臓を必要としている。【翻訳編集】 AFPBB News |使用条件