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ウイスキーの違いを判別する人工「舌」、英大学チームが開発

人工舌を構成する素材を拡大したものを持つアラスデア・クラーク氏。グラスゴー大学提供(2019年8月6日提供、撮影日不明)。(c)AFP PHOTO / UNIVERSITY OF GLASGOW

人工舌を構成する素材を拡大したものを持つアラスデア・クラーク氏。グラスゴー大学提供(2019年8月6日提供、撮影日不明)。(c)AFP PHOTO / UNIVERSITY OF GLASGOW

【AFP=時事】英グラスゴー大学(University of Glasgow)の科学者らは6日、ウイスキーの微妙な違いを識別できる人工「舌」を開発したと発表した。

 今回開発された小型の味鑑定器は、銘柄も熟成年数も同じで熟成たるだけが違う場合でも99%以上の精度で識別できるという。さらに12年、15年、18年といった熟成年数の違いの他、複雑な混合物に含まれるさまざまな化学物質の違いも識別可能だ。

 グラスゴー大工学部のアラスデア・クラーク(Alasdair Clark)氏は「人間の舌と同じように機能するため、人工舌と呼んでいる」「人間と同様、コーヒーをリンゴ果汁と異なる味にする化学物質を個別に同定することはできないが、複雑な化学物質の混合物の違いは簡単に識別できる」と語った。

 鑑定器は、「味蕾(みらい)」として機能する金とアルミニウムの微小片が市松模様状に配置されている。その上にウイスキーを注ぎ、液が沈む時にどのように光が吸収されるを調べる。金片とアルミニウム片のわずかな色の変化を測定し、検査対象のウイスキー試料ごとに測定データの統計分布図を作成する。

 さらにこの鑑定器は、非常に高価なウイスキーが偽物であることも見抜いたことから、品質管理だけでなく、急増する偽のアルコール飲料対策への利用も期待される。また、持ち運び可能で再利用できる検査技術が有用であると考えられる、食品の安全性検査、品質管理、安全保障分野においても利用可能だという。

 ウイスキー業界では、偽物が急増している。ウイスキーの鑑定とコンサルタントサービスを提供する英レア・ウイスキー101(Rare Whisky 101)が2018年に実施した実験室検査では、市場で購入した「希少な」スコッチウイスキー55本のうちの21本が偽物であることが明らかになった。経済的損失は約63万5000ポンド(約8210万円)に上るとみられている。

 ウイスキー専門家の業界団体「ザ・キーパーズ・オブ・ザ・クエイヒ(Keepers of the Quaich)」のアナベル・ミクル(Annabel Meikle)会長は、英BBCラジオ(BBC radio)で「業界としては、偽ウイスキー撲滅の助けになると思われるものは何でも大歓迎する」と語っている。

 ミクル会長は、膨大な作業となる人間による所定の風味検査の一部を、今回の技術に代替させることもできると指摘した。【翻訳編集】 AFPBB News |使用条件