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外出制限の解除のカギとなるか スマホの「接触追跡」に関する疑問に答えます

スマートフォンの画面に表示された、新型コロナウイルス追跡アプリのロゴ(右、2020年4月10日撮影)。(c)Olivier DOULIERY / AFP

スマートフォンの画面に表示された、新型コロナウイルス追跡アプリのロゴ(右、2020年4月10日撮影)。(c)Olivier DOULIERY / AFP

【AFP=時事】新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を、スマートフォンのアプリで封じ込めることは可能だろうか? ロックダウン(都市封鎖)を解除し、世界経済再起動への道を開くカギとなるかもしれないスマートフォン技術に今、関心が高まっている。

 デジタル技術による「接触追跡」は、ユーザーが感染者に接近した場合にそれを携帯電話システムで記録し、必要に応じて警告を通知することが可能だ。

 世界中の研究者らと保健機関がこのソリューションに可能性を見いだし、研究活動を強化している。米グーグル(Google)と米アップル(Apple)が先ごろ発表した接触追跡システムの共同開発は、さらにこの動きを後押しするかもしれない。

 接触追跡について、よく聞かれる疑問と答えをまとめた。

■接触追跡とは?

 スマートフォンによる接触追跡は、ブルートゥース(Bluetooth)のワイヤレス信号を使用して、特定のユーザーが感染者と接触したかどうかを判断する。

 ユーザーは専用アプリをダウンロード。ウイルスに感染した場合に、自分の感染状況を更新する。これにより、感染者や後に感染が確認された人と濃厚接触があった人々には「警告」が送られ、感染リスクのある人は自主隔離を行うなどの対応策をとることができる。

 さらにグーグルとアップルの共同開発によって、二大携帯システムをまたいでこのアプリを使用することが容易になるだろう。両社の技術では、アプリの「デジタルキー」による2週間の接触監視が可能になるという。

■どのように役立つのか?

 研究者らによると、デジタル追跡は多数の人がアプリをダウンロードして症状を報告することで、初めて効果を発揮する。

 英オックスフォード大学(University of Oxford)の研究チームは、こうしたシステムが「感染症の抑制を達成できるのは、十分な数の人々が利用した場合だ」と米科学誌サイエンス(Science)で指摘している。

 接触追跡の研究や実践の取り組みが行われているのは、フランス、ドイツ、英国などだ。米国では今年の大統領選で民主党候補となることが確実視されているジョー・バイデン(Joe Biden)元副大統領が、「米国を安全に再開するための」計画の一環として、検査の拡大などの措置とともに接触追跡を挙げている。

■限界は?

 参加者がアプリをダウンロードして、各自の最新状況を更新していく接触追跡計画が結果を得るためには、一定人数の参加が必要だというハードルがある。

 オックスフォード大の研究者らとともにアプリを開発しているボランティアグループ「コービッド・ウオッチ(Covid Watch)」の共同創設者ティナ・ホワイト(Tina White)氏によると、携帯電話ユーザーの60%が追跡アプリを採用すれば、感染拡大の形勢を変えるのに役立つと一部の専門家は示唆している。

「大事なのはメッセージそのものと、それをどう伝えるかだ」とホワイト氏。

「これは自分たちを守ってくれるものだと人々が理解すれば、使うようになるだろう」

 一方、技術的限界からくる別の潜在的な落とし穴を指摘する専門家もいる。

 英ケンブリッジ大学(University of Cambridge)の科学者ロス・アンダーソン(Ross Anderson)氏は、任意使用のアプリはどんなものでも「荒らされる」危険性があり、それによって無効化される恐れがあると警告する。例えば、スマートフォンを犬にくくりつけて公園を走らせたり、学校を休校にしたがっている生徒が仮病を報告したりといった不正使用だ。

■プライバシーの問題

 接触追跡はプライバシーを保護しながら実施できると研究者らは主張している。だが、それは各国で開発されるアプリによる。

 米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者らは、同大で開発した「セーフパス(Safe Paths)」というシステムでユーザーの特定や位置情報の追跡を阻止することで、一部の国が利用している大衆監視的要素を回避できるとしている。

 一方、ワシントンのプライバシー保護団体「フューチャー・オブ・プライバシー・フォーラム(Future of Privacy Forum)」のジョン・ベルディ(John Verdi)氏は、グーグルとアップルのシステムは「追跡と再特定化の使用事例を軽減するための、かなり強力な保護策」を備えているようだと語っている。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件