アップルとグーグルは米国時間の20日、4月に両者が共同で取り組むことを公表していた、新型コロナウイルスの感染追跡のための「Exposure Notification(濃厚接触の可能性を検出するシステム)」を正式リリースしたことを発表した。
これは、各国の公衆衛生機関が開発するアプリが Android と iOS においてより正確、効果的に機能するようサポートするAPIで、両社の技術陣は4月の発表以降、各国の公衆衛生機関や研究者、プライバシーの専門家などと対話を重ね、その助言や意見を反映してこの技術を開発した。
この技術ではBluetooth通信を利用して互いの存在を確認する仕様となっており、端末の位置情報の収集や利用は行わない。また、プライバシーに配慮することを優先し、追跡や報告の機能を有効にするか否かは、ユーザーの選択に任される。さらに利用は公衆衛生機関に制限されており、目的外の利用がなされないよう感染が下火になるなどでこのシステムが不要となれば、無効にすることもできる。
両社の共同コメントの中で「この技術の成功は、ユーザーの利用にかかっており、私たちはこれらの強力なプライバシー保護が、そうしたアプリの利用を促進する上で最良のアプローチであると考えています」との記載があり、パンデミック下の非常事態においてもプライバシー保護優先の姿勢を強調している。
このAPIを利用したアプリは日本でも検討されている。またAFP通信の伝えるところによれば、世界22カ国がこの技術の利用を検討しており、欧州でも独自のシステムを準備中の英国とフランス以外では、多くの国が採用を検討している。
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