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トランプ氏のSNS閉鎖示唆 政治めぐる虚偽情報対策に新たな難題

ドナルド・トランプ米大統領のツイッター投稿を背景に、携帯電話に表示されたツイッターのロゴ(2020年5月27日撮影)。(c)Olivier DOULIERY / AFP

ドナルド・トランプ米大統領のツイッター投稿を背景に、携帯電話に表示されたツイッターのロゴ(2020年5月27日撮影)。(c)Olivier DOULIERY / AFP

【AFP=時事】米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は、米交流サイト(SNS)大手ツイッター(Twitter)から自身の投稿2件に対して誤解を招く内容だとして注意喚起されたことを受け、ソーシャルメディア各社を閉鎖する可能性を示唆した。選挙運動中の、毒をまき散らすような政治的虚偽情報の対策に苦慮しているソーシャルメディア企業に、新たな難問が突き付けられている。

 ツイッターが26日に標的としたのは、郵便による投票は11月に「不正選挙」を招くとしたトランプ氏の投稿だった。ツイッターがトランプ氏のコメントに警告のラベルを付けたのは初めて。

 ジョージ・ワシントン大学(George Washington University)のデータ、民主主義と政治研究所(Institute for Data, Democracy, and Politics)のスティーブン・リンビングストン(Steven Livingston)所長は、トランプ氏の怒りの反応と、ソーシャルメディア企業を「強く規制」または「閉鎖」するとの脅しは、ツイッターその他のソーシャルメディア企業にとっての難題を浮き彫りにしていると指摘する。

 リビングストン氏は、トランプ氏とその支持者からの攻撃のために、「(ツイッター)には非常に大きな圧力がかかっており、彼らは(政治的虚偽情報の抑制に関する)次の段階に進むことを考えて青ざめている」と語った。

「どちらに進んでも不利になるジレンマに陥っており、どの道を行くべきなのか分からない状況だ」

 リビングストン氏は、ツイッターが虚偽情報や有害コンテンツをフィルターにかけて取り除くことで「健全な会話」を育成すると誓約していても、「各社は自分たちが過激主義を助長していることを十分に承知している」と指摘する。「過激主義は注目を集めるので、広告収入を増やすことができる。これがこの問題の核心なのだ」

■「大胆な措置」

 米テキサス大学(University of Texas)のソーシャルメディア研究者のサミュエル・ウーリー(Samuel Woolley)教授は、これを政治的圧力に直面した「ツイッターによるきわめて大胆な措置」と呼び、さらにフェイスブック(Facebook)その他のSNS企業が同様の行動に出る可能性があると歓迎した。 「ツイッターは多くの反発を受けるだろうし、それに耐えうるかどうかはこれからの話だ」とウーリー氏は語った。

 ノースカロライナ大学(University of North Carolina)の情報、技術および公共生活センター(Center for Information, Technology, and Public Life)のダニエル・クレイス(Daniel Kreiss)教授は、ツイッターは政治的発言のより広い分野や他の話題に入り込むことなしに、選挙の誤情報に関する同社の方針を実行したとして「正しい決断を下した」と語った。

「ツイッターは選挙の健全性を守るという譲れない一線を引いて、それはこのプラットフォームを好きなように使うという誰の権利にも勝ると断言している」 とクレイス氏は話す。

「私は彼らの行動は十分に正当化されると思う。明確な価値観と透明性のある方針を打ち出した」

 クレイス氏はツイッターによるこの慎重なやり方は、同社が、毒にまみれた選挙運動の中を政治的論争にはまり込むことなくバランスを取って進むことを可能にするものだとしたうえで、「どの道を進むにしろ批判を受けるだろう」とも指摘している。

 ボストン大学(Boston University)の政治コミュニケーション学のミッシェル・アマジーン(Michelle Amazeen)教授は、ツイッターの措置を「前に進むために強く求められていた一歩」と呼ぶ一方で、このことがツイッター上の誤情報にどれだけ影響を与えるかについては疑問を投げ掛けている。

「ツイッター利用者は今後、もしこの注意喚起がなければトランプ氏のツイッターを正確だと信じることになるだろうか。調査結果によれば、そうなるのだ」

 アマジーン氏はツイッターの措置は、大半の報道機関が実施しているのと同種の基準を確立するにはまだ至っていないと指摘する。

「ツイッターは、まっとうなニュースの信頼できる情報源ではない」「研究が示しているのは、ニュースをソーシャルメディアに頼っている人は、主流の情報源に頼る人と比べて、ずっと誤情報を受けやすいということだ」

 フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)最高経営責任者(CEO)は、米FOXニュース(Fox News)のインタビューでツイッターの注意喚起について尋ねられ、フェイスブックは方針が異なると語った。

「フェイスブックは人々がオンライン上で話す、あらゆることの真偽の裁定者であるべきではないと、強く思っている」 【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件