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ウエアラブル端末でコロナを早期に探知 研究盛んに

「アップルウオッチ」を操作する人(2019年9月19日撮影、資料写真)。(c)Johannes EISELE / AFP

「アップルウオッチ」を操作する人(2019年9月19日撮影、資料写真)。(c)Johannes EISELE / AFP

【AFP=時事】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を早期に探知し警告する方法として、米アップル(Apple)のアップルウオッチ(Apple Watch)や米フィットネス管理大手フィットビット(Fitbit)などのウエアラブル端末に注目が集まっている。

 米ウェストバージニア大学(WVU)のロックフェラー神経科学研究所(RNI)の科学者は先月、健康管理できるウエアラブル端末「オーラリング(Oura Ring)」用のアプリを開発したと明らかにした。COVID-19の症状が表れる3日前から探知が可能だという。

 同大学によると、このアプリは人工知能(AI)を用い、熱、せき、呼吸困難、倦怠(けんたい)感といった新型コロナウイルスに関連する症状の発症を90%以上の精度で予測する。

 研究者らは、このアプリは症状がまだ表れていない感染者を確認する手掛かりとなる他、そのような人の探知といったCOVID-19の流行における問題の一つを解消し、封じ込めにも寄与すると説明した。

 一方、米スクリプス研究所(Scripps Research Institute)によるウエアラブル端末を用いたCOVID-19の「発症前」および無症状の人を検知する同様の研究には、3万人以上が登録している。同研究所は登録者数をさらに増やすことを目指している。

 研究チームはすでに、1月に英医学誌ランセット(The Lancet)に掲載された研究で、ウエアラブル端末でインフルエンザを予測できる可能性を示している。研究者らはウエアラブル端末のデータは、体温測定よりも信頼性が高い可能性があるとしている。

 この研究を率いる疫学者ジェニファー・レディン(Jennifer Radin)氏は「新型コロナウイルスに感染した人のうち、40%は発熱しない」「このため体温測定よりも感染者の選別に優れている」と説明している。

 例えば安静時の心拍数は、感染前は通常安定しており、大部分のウエアラブル端末で正確に測定することができるため、よい指標となる。「心拍数の変化は、発熱が始まる4日前からみることができる」とレディン氏は語った。

■リアルタイムで介入可能に

 スクリプス研究所のエリック・トポル(Eric Topol)所長は「1億人以上の米国人がスマートウオッチあるいはフィットネスバンドを持っている」ことから、ウエアラブル端末を使うという発想は期待できると述べた。

 一方、米カリフォルニア州の医療技術スタートアップ、エビデーション・ヘルス(Evidation Health)は、米政府と「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団(Bill & Melinda Gates Foundation)」から資金を受け、新型コロナウイルスの感染リスクが高い300人が装着したウエアラブル端末から早期警告のアルゴリズムを生成するプロジェクトを開始した。

 エビデーションの共同創業者で主席データサイエンティストのルカ・フォスキーニ(Luca Foschini)氏は研究の狙いについて、「いつ、どこで新型コロナウイルスに感染する可能性があるかをより効果的に特定し、感染拡大の制限と結果観察のためリアムタイムで介入することを潜在的に可能にする」ことだと述べた。

■娯楽から医学へ

 最新の研究によって、当初は娯楽やフィットネス用に開発されたウエアラブル端末が、重要な医学研究に応用できる可能性があることが分かってきている。

 アップルは、自社のスマートウオッチによって心臓疾患を探知する研究を開始した。一方、フィットビットは、がんや糖尿病、呼吸器疾患やその他の健康問題に関する約500の研究プロジェクトを実施している。

 スタンフォード大学(Stanford University)の研究チームは4月、スクリプス研究所と協力し新型コロナウイルスなどの疾病を、ウエアラブル端末を用いて探知する研究に参加する予定だと発表した。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件