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宇宙から地球の雨を観測 衛星データを使った世界の降雨予測がスタート

 理化学研究所(以下、理研)、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの国際共同研究グループは、人工衛星から送られてくる観測データを利用した、リアルタイム降水予報の公開を20日からスタートした。

 国際共同研究グループでは、かねてから衛星降水データを用いた地球全体を領域とする降水予測研究を行ってきた。今回、こうしたデータから予報を導き出すために新たに全球降水予測システムを開発し、これをリアルタイムに継続運用することで、5日後までの世界各地の降水予報を実現した。

図2 JAXAの降水情報ウェブページ「GSMaPxNEXRA 全球降水予報」の例
2020年7月5日22時を初期時刻とした3時間後の降水予測値の分布を表示している。「令和2年7月豪雨」に伴う大雨が九州南部で予測されている。

 この予報は、従来の天気予報では活用されてこなかった人工衛星による降水観測データを直接利用する。これまで降水の観測は雨量計に頼っていたため、海上など雨量計が設置されていない場所では、降雨の記録を得ることが出来なかった。これに対して人工衛星は、宇宙から雨雲を測定するため、雨量計の有無にかかわらず、広いエリアの観測ができ、降水を知ることが可能だ。

 降水を観測するための人工衛星は、これまで宇宙航空研究開発機構(JAXA)とアメリカ航空宇宙局(NASA)が共同で打ち上げてきた。1997 年 11月に熱帯降雨観測衛星 (TRMM)が打ち上げられ 、2015 年 4 月まで熱帯の降雨を観測してきた。また、その後継としてより広い範囲をカバーする全球降水観測計画(GPM)の主衛星が2014年 2 月に打ち上げられ、現在も観測を続けている。こうした人工衛星には、降水レーダーが搭載されており、降雨・降雪の観測や雨雲の立体的な分布を観測することができる。

 衛星からのデータを用いた天気予報システムは膨大な数値計算が必要なため、処理には今後、スーパーコンピュータ「富岳」を用いて降水予報の更なる高度化に取り組む予定だという。

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 ちなみにこれらの人工衛星が観測したデータは、一定の条件のもとで公開されており利用が可能だ。すでに気象予測のみならず、防災や水資源の管理などでの活用事例があり、JAXAでは積極的な利用を呼びかけている。自ら人工衛星を打ち上げるのは困難だが、すでに運用中の人工衛星を自らの“地球を観るツール”として活用し、新たな事業アイデアを考えてみてはいかがだろうか。参考リンク

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