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中国で「ドラえもん」レベルのサービスロボットが次々登場

福建省福州市の幼児園で、子どもたちの体調を検査するAIロボット(2020年10月10日撮影、資料写真)。(c)CNS/呂明

福建省福州市の幼児園で、子どもたちの体調を検査するAIロボット(2020年10月10日撮影、資料写真)。(c)CNS/呂明

【東方新報】世界一の「ロボット大国」中国で、産業用ロボットを上回る勢いでサービスロボット分野が成長している。中国でも「哆啦A梦(ドラえもん)」は大人気だが、ドラえもんの4次元ポケットから飛び出したようなサービスロボットが既に開発・実用化されている。

 不動産開発会社の千璽ロボットケータリング集団は7月、広東省(Guangdong)仏山市(Foshan)に「グルメ王国ロボットレストラン」をオープンさせた。火鍋ロボット、麺料理ロボット、ハンバーガーロボットなど、人工知能(AI)を搭載したロボットシェフが短時間で調理し、サービングロボットが注文した客に料理を配膳する。完全に無人化を果たし、メニューは約200種類、約600人の客に同時サービスが可能だ。

 9月に北京で行われた産業フェア「国際サービス貿易取引会」では、来場者の脈をはかる「中国医学AIロボット」が登場した。人の手首に指を置き、健康状態を確認した。北京市順義区では6月から、無人車両による食料配達実験が始まっている。中国版衛星利用測位システム「北斗(Beidou)3号」と連携し、安全運転を実現している。このほか、畑の溝掘りから種まき、消毒液散布まで行う農業ロボット、商品の荷造りから分別、搬送まで行う倉庫ロボットも実用化されている。自動運転の実験も世界最先端レベルで進んでいる。

 中国は販売台数ベースで見て2013年から世界最大のロボット市場となっており、今年のロボット生産台数は700万台に達する見込みだ。製造業労働者1万人当たりのロボット台数を示す「ロボット密度」は、2014年の36から2018年には140に急上昇した。米国の217、日本の327と差はあるが、数年後には米国を抜く可能性がある。高度なロボットに必要なコア部品も国内企業の開発が進んでいる。

 中国政府は2015年にロボット産業を成長戦略の一つに位置付け、翌2016年からロボット産業発展5か年計画を打ち出した。1000社以上の企業がロボット市場に参入し、乱立により技術力のないメーカーは淘汰(とうた)された中、生き残った有力メーカーに政府系投資基金が支援してきた。「もうかりそうな新分野」→「大小あらゆる企業が参入して乱立」→「生き残った企業に政府が支援」という流れは、中国経済に活力をもたらす典型例だ。ロボット市場のうち産業用ロボットは生産台数の3分の2を占めているが、ここ数年は伸び率が5~10%程度とやや頭打ちの一方、サービスロボットは30%前後の勢いで成長している。

 中国は人口抑制のため長年続けた「一人っ子政策」を廃止して出産を奨励する方針に転換したが、出産人口は伸び悩んでいる。2050年代には人口の3割近い4億人が65歳以上となり、世界でも類を見ない「超高齢化社会」に突入するのは確実だ。そのため、産業・サービスの無人化・ロボット化は将来的には「死活問題」だ。今年に入って猛威を振るった新型コロナウイルス感染症により、非接触サービスとしてサービスロボットの普及も進んでいる。ピンチをチャンスに変えながら、中国経済は猛進を続けている。【翻訳編集】 東方新報/AFPBB News|使用条件