Open Innovation Platform
FOLLOW US

中国で格安EV 人気を博す理由

上汽通用五菱汽車が生産した電気自動車(2020年9月16日撮影、資料写真)。(c)CNS/林馨

上汽通用五菱汽車が生産した電気自動車(2020年9月16日撮影、資料写真)。(c)CNS/林馨

【東方新報】中国で格安の小型の電気自動車(EV)が最近、人気を博している。中国自動車工業協会の調べによると、10月の新車販売台数は前年比12.5%増の257万3000台で、前年同月比実績を7か月連続して上回った。そのうち、EVなどの新エネルギー車は約16万台で、前年同月の約2倍になった。

 そのうち最も注目されたのは、米ゼネラル・モーターズ(GM)系の乗用車大手、上汽通用五菱汽車(SAIC-GM-Wuling Automobile)が作った小型EV「宏光ミニ」である。7月に発売したばかりで、11月の販売台数が3万台を超えた。2.88万元(約46万円)という格安の値段設定が話題となり、一日で2000台以上が売れた日もあるという。「国民の神車」や「人民の足」などと呼ばれた。同じくシェアを伸ばしている高級EVメーカー、米テラス(Tesla)を勢いで上回ったため、「庶民派が勝利した」などと中国メディアに大きく取り上げられた。

 全長290センチ、幅150センチのモデルで、約6時間充電すれば、約120キロメートルを走行できるという。暖房のみで冷房はないが、プラス4000元(約7万2000円)で冷房を付けることもできる。さらにプラス6000元(約9万6000円)で、電池容量を大きくして充電後の走行距離を約170キロメートルに伸ばすことができる。必要に応じてオプションを付けられることが人気の理由の一つだという。

 中国メディアによれば、宏光が売れる理由は複数あり、都市部や主婦や若者が「自転車代わり」として需要が増えたほか、農村部で近年、急速的に自動車が普及したこととも関係している。中国の農村部で以前から小型自動車に対する根強い需要が存在していたが、道路整備の遅れやガソリンスタンド不足に加え、自動車の価額が高いなどを理由になかなか普及しなかった経緯があったという。

中国政府は7月から、「新エネルギー車下郷」というキャンペーンを展開し、道路整備に力を入れるとともに、EVメーカーの農村市場開拓を奨励する政策を明確に打ち出したことも奏功している。

 中国ではこれまで、値段設定が10万元(約160万円)から20万元(約320万円)の自動車が最もよく売れるといわれるが、近年、注目されているEVでは、米テラス社の30万元(約480万円)以上の高級車と、宏光のような低価格車が勢いを増し、二極化の様相を呈している。

 中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は9月の国連総会で、「2060年までに二酸化炭素(CO2)の排出量を実質ゼロにする」という目標を表明している。中国でこれからEVの需要はますます高まる。農村部には大きな市場があり、宏光のような格安小型EVは今後、各国のメーカーよって次々と開発されるとみられる。【翻訳編集】 東方新報/AFPBB News|使用条件