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リコーがリアルな空間に立体映像を映し出す技術を発表

投影された映像(リコーのリリースより)

投影された映像(リコーのリリースより)

 株式会社リコーは、リアルな空間に立体映像を映し出すことのできる投影装置を開発したことを発表した。これによって、ヘッドセットなどを使用せずに、どの方向からでも立体映像を見ることができるため、同時に複数人で立体映像を視聴することができる。

 この装置は、特殊な回転スクリーンに真下から上に向けて光を投射し、光の残像で立体化させた映像を表示する。開発したのは、同社の新事業創出に向けたプログラム「TRIBUS 2020」に参加するチームのひとつで、現時点では人間の頭程度の大きさ(直径200mm 高さ250mm)のカラー動画を表示することができる。

 この装置は、「WARPE (ワープイー)」ブランドとして、まずはデジタルサイネージ向けの技術としてビジネスパートナーを募る。2021年度中に試作機による実証実験や試験的な稼働を始め、2022年度中の実用化を目指す。

 これまでは、主にリアルの世界にあるコンテンツをオンライン3D空間に再現することに力が注がれてきた。しかし今後、仮想空間が拡大し、その中にしか存在しない3Dデジタルコンテンツが増えてくれば、それをリアルの世界と共有する必要が出てくる。エンタテインメントの分野だけでなく、今後は教育やビジネスの場でもこうした技術の必要性は高まることだろう。

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