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26光年先の「スーパーアース」、太陽系外生命探査の道開くか

火星に着陸した米航空宇宙局(NASA)の火星探査車「パーシビアランス」が撮影した火星地表の画像(2021年2月21日撮影、同24日公開)。(c)AFP PHOTO : NASA:JPL-Caltech

火星に着陸した米航空宇宙局(NASA)の火星探査車「パーシビアランス」が撮影した火星地表の画像(2021年2月21日撮影、同24日公開)。(c)AFP PHOTO : NASA:JPL-Caltech

【AFP=時事】地球外生命探査としては、米航空宇宙局(NASA)が実施しているように火星で生命の痕跡を探すのも一つだ。

 だが、科学者らは太陽系から遠く離れた場所も調査しようとしている。果たして太陽系外で生命を見つけることができるのだろうか。

 5日の米科学誌サイエンス(Science)に掲載された研究論文では、地球外生命探査で重要な役割を果たすかもしれない新たな太陽系外惑星の発見が明らかになった。

 研究者らは「グリーゼ486b(Gliese 486b)」と命名されたこの「スーパーアース(Super Earth、巨大地球型惑星)」に大気があるかどうか、そして太陽以外の恒星の周辺に生命の痕跡が存在するかどうかの調査を試みる予定だ。

 論文の共同執筆者の一人で、スペインの宇宙生物学センター(CAB)の天文学者、ホセ・カバジェロ(Jose Caballero)氏は「最終目標は、系外惑星の大気中でバイオマーカー、つまり生命存在指標を見つけることです。これは、生命に適した環境を持つ地球に似た惑星に、生命が存在する痕跡を示すものです」と話す。

 過去25年間で約4000個の系外惑星が発見されており、その一部は大気を持つことが明らかになっている。だが、これらはガス惑星か氷惑星で、地球ほどの大きさの惑星の調査はまだ実施されていないと、カバジェロ氏はAFPに説明した。  今回の発見により、「地球に似た岩石質の」系外惑星を研究できるかもしれないと、カバジェロ氏は指摘した。

 グリーゼ486bは地球から「わずか」26光年の距離にある。直径は地球の約1.3倍だが、質量は地球の2.8倍で、恒星の「ハビタブル・ゾーン(生命生存可能領域)」内に位置している。

 研究者らは二つの手法を用いて、この系外惑星の存在を確認した。惑星が恒星の前を横切る際に恒星の明るさがわずかに変化するのを観測する「トランジット法」と、公転する惑星の重力による恒星の「ゆらぎ」を測定する「ドップラー法」だ。

■大気調査のロゼッタ・ストーン

 グリーゼ486bは主星のグリーゼ486(Gliese 486)に非常に近いため、主星の周りをわずか1.5日足らずで1周する。

 5大陸の研究者らが執筆に参加した今回の論文の筆頭執筆者で、独マックス・プランク天文学研究所(Max Planck Institute for Astronomy)の研究者のトリフォン・トリフォノフ(Trifon Trifonov)氏は「小型の赤色矮星(わいせい)約350個を対象に、低質量惑星の兆候を調査しました」と話す。

 トリフォノフ氏によると、グリーゼ486bは表面温度が430度前後で、生命の存在には適していないという。

 同時に「調査対象の惑星(グリーゼ486b)に大気があるなら、(主星から)より遠く、ほぼ同じ特徴を持つ惑星ならば、それらにも大気があるはずです」と、カバジェロ氏は説明する。

 グリーゼ486bに大気がなければ、公転軌道上にある他の惑星も生命の存在には適さないことになる。

 グリーゼ486bは「特筆すべき発見です。岩石質系外惑星の大気調査のための『ロゼッタ・ストーン(Rosetta Stone)』となる可能性が高いからです」と、トリフォノフ氏は述べている。

 トリフォノフ氏は、今年中に予定されているジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の配備を心待ちにしている。

 JWSTの配備により、グリーゼ486bの大気の有無や組成については、早ければ今から3年後には判別できるようになるはずだ。

 最終的に20年ほどたてば、生命の痕跡があるかどうかが分かるようになると、トリフォノフ氏は話した。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件