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ブルートゥース、名前はバイキング時代とビールのおかげ?

スマートフォンに表示されたブルートゥースのアイコン。NurPhoto提供(2020年12月1日撮影、資料写真)。(c)NurPhoto : AFP

スマートフォンに表示されたブルートゥースのアイコン。NurPhoto提供(2020年12月1日撮影、資料写真)。(c)NurPhoto : AFP

【AFP=時事】ブルートゥース(Bluetooth)は最も知られた現代テクノロジーの一つだが、「青い歯」を意味するその名とロゴは、バイキング時代に生きた北欧の王の虫歯に由来する。四半世紀前、2人の技術者がビールを飲み交わしながら思い付いた。

 1990年代末期、スウェーデンの通信機器メーカー、エリクソン(Ericsson)に勤めていたスウェーデン人エンジニアのスベン・マティソン(Sven Mattisson)氏と、米半導体大手インテル(Intel)で働いていた米国人のジム・カーダック(Jim Kardach)氏は、この革新的な技術の開発に携わっていた。  技術は、1994年にまずエリクソンが開発を始めたが、1998年にはその世界統一規格を定めるために国際コンソーシアムが設立された。

 これに先立ち、マティソン氏とカーダック氏は、それぞれの無線通信技術の売り込みに苦闘していた。

 当時、インテルは「Biz-RF」、エリクソンは「MC-Link」、さらにフィンランドの通信機器大手ノキア(Nokia)は「Low Power-RF」と呼ぶ無線プログラムを持っていた。1997年末、2人を含む各社の技術者がカナダ・トロント市で開かれたセミナーでアイデアを出し合った。

「ジムと私は、自分たちの提案が歓迎されていないことについて語り合いました」と、マティソン氏はAFPとの最近のインタビューで振り返った。現在は65歳。エリクソンでのキャリアを締めくくりつつある。

 1時間余りのプレゼンテーションためにスウェーデンからはるばるカナダまで来ていたマティソン氏は、帰国する前夜、カーダック氏と一杯やることにした。 「われわれの入り組んだ提案に対する反応はいま一つで、この時、誰もが使える同一のコード名がプロジェクトに必要だと気付いた」とカーダック氏は自身のウェブページで明かしている。

■「青歯王」の物語

 ふさいだ気分を晴らすため、2人はトロント市内のバーに向かい、最後はカーダック氏が熱中している歴史の話にふけった。

「ビールを何杯か飲んで(中略)ジムは歴史に興味を持っていて、私にバイキングのことを尋ねた。それから、じっくり話し込んだ」と、おぼろげな記憶をたどるマティソン氏。

 カーダック氏は、バイキングについて知っているのは「角の付いたかぶとをかぶって動き回り、いろんな場所を襲ったり略奪したりすること。クレージーな集団だったということだけだ」と答えた。

 そこで、マティソン氏がカーダック氏に読むよう勧めた本が、バイキングについて書かれたスウェーデンの有名な歴史小説「ロングシップ(The Long Ships)」だった。

■統一の象徴

 10世紀を舞台とするこの物語は、バイキングの人質となった少年の話だ。この中に登場するデンマーク王、ハーラル1世(ハーラル・ゴームソン、Harald Gormsson)の異名がカーダック氏の興味を引いた。

 ハーラル1世は北欧の重要な歴史的人物だが、そのニックネーム「青歯王」は、死んでしまった歯の色を指すと言われている。一方、ブルーベリーが大好物だったことで付いたとか、単なる翻訳ミスだという説もある。

 ハーラル1世の時代に、デンマークは古来の多神教や北欧の神々に背を向けて、徐々にキリスト教に改宗していった。

 だが、この王が最もよく知られているのは、ノルウェーとデンマークを統一させたことだ。この統合は1814年まで続いた。

 この物語こそ、短距離無線通信を通じてパソコンと携帯業界の統合を目指す者にとって、あやかりたいものだった。

 一方、一見すると幾何学模様のようでしかないブルートゥースのロゴは、ハーラル1世のイニシャル「H」とブルートゥースの「B」を古代ルーン文字に置き換え、組み合わせたものだ。

 低コストと低電力消費を掲げて1998年5月に販売開始されたブルートゥースは、近距離にあるコンピューター関連機器をケーブルなしで接続する。

 この技術を搭載した消費者向け機器が初登場した1999年当初、名称はいずれ変更されるはずだったが、今や不動の地位を得ている。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件