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バクテリアの活用でレアアースの脱中国依存目指す 仏研究所

レアアースを含む溶液を手にした技術者。仏オルレアンのフランス地質調査所(BRGM)で(2021年6月22日撮影)。(c)Christophe ARCHAMBAULT : AFP

レアアースを含む溶液を手にした技術者。仏オルレアンのフランス地質調査所(BRGM)で(2021年6月22日撮影)。(c)Christophe ARCHAMBAULT : AFP

【AFP=時事】欧州は、バッテリーや電子機器に欠かせないレアアース(希土類)の調達をめぐり、脱中国依存を目指している。そんな中、フランスでは有望な代替品の研究が進められている。バクテリアだ。鉱山で採掘後に捨てられた石の山からレアアースを取り出す際に有効だという。

 ニッケルや銅、コバルトを含む何トンもの廃石は、欧州大陸唯一のレアアース源だ。廃棄された携帯電話、コンピューターなどのハイテク機器もそれらに加わる。

「欧州では、中国に依存していることに気付き、代わりの供給源を探す必要性が指摘されるようになってきた」と、フランス地質調査所(Bureau de Recherches Geologiques et Minieres、BRGM)の技師、アンヌ・グウェネル・ゲゼネック(Anne-Gwenaelle Guezennec)氏は言う。

 計17種類のレアアースは、磁石や風力タービン、その他の先進的な用途に必須で、さまざまな鉱石の中に微量に含まれ、その大半はアジアで産出される。加工前は粗い粉末で、物理的にも電子的にも特異な性質があり、化学触媒から磁石やガラスまで幅広い素材の性能を高めることができる。

 しかし、レアアースの採掘・抽出は高度な技術を要し、高圧・高温下で有毒な化学物質を使用しなければならない。エネルギー消費量もかなりのものになる。

 BRGMは、そうした方法に頼らず、もっと環境に優しい方法を研究している。「私たちが頼りにしているのは、ある微生物、下層土で見つかるバクテリアの極めて固有の特性です」とゲゼネック氏は明かした。

■廃石の溶液にバクテリアと「餌」を注入

 仏中部オルレアン(Orleans)にあるBRGMで行われている工程は、以下のようなものだ。まず、廃石を粉砕し、液体の中で溶解する。

 そして、抽出する金属に合わせ、さまざまなバクテリアを注入する。同時に酸素と、カリウムや窒素など一般的な栄養素も「餌」として与える。

 次に、灰緑色をしたその溶液をバイオリアクター(生化学反応装置)で温め、高速でかき混ぜる。ここからが抽出の工程だ。「温度は比較的低めで、30度から50度で十分です」とゲゼネック氏は言う。「それに加圧する必要もありません。ですから、工程がとても安定していて、コストもあまりかかりません」

 BRGMは数年間の試験期間を経て実験の規模を拡大し、フィンランドや南太平洋の仏特別自治体ニューカレドニアの廃石集積所からレアアースやコバルト、銅、ニッケルを取り出す計画を進めている。

■「都市鉱山」の有効活用

 実験室の一角で、電気・電子機器廃棄物がにぎやかな音を立てながらベルトコンベヤーで運ばれて行く。強力な磁石で、がらくたの中から磁石や金属部分が取り出される。

「通常、ハードディスクには磁石が1.5%から3%程度含まれています」とBRGMの廃棄物原材料部の技師、ヌールエディン・ミナード(Nour-eddine Menad)氏は説明した。つまり、ハードディスクが2トンあれば、30~35キロ前後の磁石が回収できる。「磁石の30%はレアアースです」とミナード氏は続けた。

「都市鉱山」と呼ばれるこうした資源の有効活用は極めて重要だと、BRGMのリサイクル計画の主任を務めるヤニック・メナール(Yannick Menard)氏は言う。「アジアの供給元への経済依存を減らすには、これがほぼ唯一の代替手段です」 【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件