エルサルバドル・エルゾンテの店舗に張られたビットコイン決済可能と書かれたポスター(2021年9月4日撮影)。(c)MARVIN RECINOS : AFP
【AFP=時事】中米エルサルバドルで7日、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(Bitcoin)が世界で初めて法定通貨に採用された。ただ、国内では懐疑的な見方が強く、国際社会からも消費者のリスクを警告する声が上がっている。
ナジブ・ブケレ・オルテス(Nayib Bukele Ortez)政権は、ビットコインを法定通貨にすることで、国民の多くが銀行を利用できるようになる上、海外送金手数料を毎年4億ドル(約440億円)ほど節約できるとしている。
最近の世論調査では、国民650万人の大多数がビットコインの法定通貨化に反対しており、20年前から法定通貨となっている米ドルを使い続けると回答した。
ブケレ大統領は6月、米ドルに加えビットコインを法定通貨とする法案を議会に提出。可決から24時間以内に大統領が承認し成立した。
専門家や規制当局は、ビットコインの価格変動が激しいことや、利用者の保護に欠けていることから懸念を示している。
政府は、ビットコインATM(現金自動預払機)を200台以上設置するとともに、反対派による放火を防ぐため、兵士を一部ATMの警備に当たらせている。
ブケレ大統領は、ビットコインを利用した国民一人当たりに30ドル(約3300円)を支給するとしている。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件