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自律走行の宅配ロボット、ロンドン郊外で大活躍

英ミルトンキーンズで、自律走行ロボット「スターシップ」の配達を受け取るシーラさん(2021年9月20日撮影)。(c)DANIEL LEAL-OLIVAS : AFP

英ミルトンキーンズで、自律走行ロボット「スターシップ」の配達を受け取るシーラさん(2021年9月20日撮影)。(c)DANIEL LEAL-OLIVAS : AFP

【AFP=時事】英ロンドン郊外のミルトンキーンズ(Milton Keynes)はラウンドアバウト(環状交差点)の多さやコンクリートでできた牛の像が有名だが、新しい特徴がもう一つある──購入した商品を届ける宅配ロボットの一群だ。

 6輪の自律走行ロボットによる宅配サービスが始まったのは、3年前。住宅街をせっせと行き来するこのロボットに人々が目をとめることはほとんどない。

 昨年サービスを開始した隣町のノーサンプトン(Northampton)とここミルトンキーンズで合わせて200台のロボットが活躍している。さらに国内5か所で新たに計500台の導入が予定されている。

 この白い小型ロボットが真価を認められ始めたのは昨年、新型コロナウイルスの流行でロックダウン(都市封鎖)が行われたときだったという。開発元の米スタートアップ企業、スターシップ・テクノロジーズ(Starship Technologies)の英法人幹部アンドリュー・カーティス(Andrew Curtis)氏はAFPの取材に「コロナ禍では、人と接触しない宅配を誰もが必要としていた」と振り返った。

■スターシップ軍団

 ミルトンキーンズの小売店の前にロボットが10台ほど待機していた。店から出てきた従業員が、注文を受けたばかりの商品をロボットの中に入れる。ラズベリーにヨーグルト、ちょっとした切り花が入った小さな袋だ。ふたを閉めて鍵をかけるやいなや、ロボットは路上に出る。向きを変え、道路を横断しようと前進する。ふと止まると後退し、自動車が通り過ぎるのを待った。

 本体にはカメラとセンサーが付いていて、必要に応じて大きな警告音も出る。ビデオ通話サービス「スカイプ(Skype)」の共同創業者2人が2014年に開発したこのロボットは、99%の自律走行が可能だ。速度は歩行者をやや上回る時速6キロまで出すことができ、注文から1時間以内に配達を完了する。

 生活協同組合のコープグループ(Co-op Group)によると、宅配ロボットを利用すれば、便利なだけでなく環境にも優しい。ロボット宅配の利用客の70%は、自家用車で買い物に行ったり、ガソリン車に配達してもらったりすることがなくなったという。

 スターシップのロボットは現在、主に英国と米国、そしてエストニア、ドイツ、デンマークで、1000台ほどが活躍している。

■「天からの贈り物」

 だが、宅配ロボットの数が増えるにつれ、人間の仕事が奪われることを恐れた労働組合から批判が上がるようになった。米国では、宅配に対する制限と道路通行に関する規則を議論している自治体もある。

 英国では「幸い、これまでに事故は発生していません」とカーティス氏。スターシップの英法人は地元当局から、宅配できる地区について了承を得ていると述べた。ラズベリーやヨーグルトを配達中の先ほどのロボットは走行を続けていたが、路面の穴の手前で止まった。道路工事中なのだ。驚いた様子の作業員が穴の上に板を渡してくれた。

 こうして、ロボットは配達先のシーラ・ローズ(Sheila Rose)さん(71)宅に到着。家から出てきたローズさんは、スマートフォンを操作して鍵を開け、食料品と花を受け取った。「私にできるのだから、誰にでも使えますよ」 自分で買い出しに行くのが難しいローズさんは、宅配ロボットは「天からの贈り物」のようだと語る。毎日利用する週もあり、ひ孫たちもロボットが大好きだという。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件