米国人アーティスト、カウズの拡張現実(AR)作品を携帯端末に表示するスタッフ。英ロンドンのサーペンタイン・ギャラリーで(2022年1月18日撮影)。(c)Tolga Akmen : AFP
【AFP=時事】凍えるように寒い英ロンドンの朝、ハイドパーク(Hyde Park)にあるサーペンタイン・ギャラリー(Serpentine Gallery)の建物の上に人々が携帯電話を向けている。
屋根の上に座っている青い大きな人型のオブジェは肉眼では見えない。だが、拡張現実(AR)の世界ではそこに存在している。これは米国人アーティスト、カウズ(KAWS、47)によるARインスタレーションの一部だ。
数億人のプレーヤーを誇る人気オンラインゲーム「フォートナイト(Fortnite)」内で初めて、現実のギャラリーが再現された。
アートディレクターのハンス・ウルリッヒ・オブリスト(Hans Ulrich Obrist)氏は、今月18日から2月27日まで開催されているカウズの展覧会「ニューフィクション(NEW FICTION)」には、三つのレイヤー(層)があると話す。
「フォートナイト内のサーペンタイン・ギャラリー、実在するサーペンタイン・ギャラリー、そして三番目はARです。QRコードで起動できます」
米エピックゲームズ(Epic Games)が開発したフォートナイトのプレーヤー4億人は1週間、細部まで完璧に再現されたゲーム内のギャラリーにアクセスし、アバター(分身)と一緒に歩いて作品を鑑賞できる。「フォートナイトが一般のギャラリーと、ビジュアルアートでコラボレーションしたのは今回が初めてです」とオブリスト氏。
作家のカウズにとって今回のコラボレーションは、見る人にとって作品がより身近に感じられるものとなることが大きな魅力だった。|使用条件