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英の核融合施設、エネルギー量の記録更新 温暖化抑制に期待

英アビンドン近郊の欧州トーラス共同研究施設(JET)で従業員と話すチャールズ皇太子(右、2022年1月31日撮影、資料写真)。(c)ADRIAN DENNIS : POOL : AFP

英アビンドン近郊の欧州トーラス共同研究施設(JET)で従業員と話すチャールズ皇太子(右、2022年1月31日撮影、資料写真)。(c)ADRIAN DENNIS : POOL : AFP

【AFP=時事】欧州各国の核融合研究機関からなるコンソーシアム「ユーロフュージョン(EUROfusion)」は9日、英国の研究施設で行った実験で、核融合によるエネルギー生成量の記録を大幅に更新したと発表した。安価でクリーンなエネルギー源とされる核融合の実用化に向けた画期的な成果と歓迎されている。

 核融合は太陽内部で熱を生み出している反応で、暴走の恐れがないため安全性が高い。燃料1グラム当たりのエネルギー量は、石炭や石油、ガスの燃焼の400万倍近くに上り、廃棄物もほぼ出さない。推進派は、核融合技術を使うことで、大量のクリーンエネルギーを安全に生産し、地球温暖化を抑制できると考えている。

 英中部オックスフォード(Oxford)近郊の欧州トーラス共同研究施設(JET)で昨年12月に行われた実験で、1997年の記録の2倍以上となる59メガジュールの持続的エネルギー生成に成功した。使用されたのは「トカマク」と呼ばれるドーナツ形装置で、JETのものは世界最大。

 実験では核融合を5秒間維持することに成功したが、従来型エネルギー源並みの実用性を確保するには、より長い持続時間が必要だ。ユーロフュージョンの責任者は「核融合を5秒間維持できるのであれば、将来の装置で運用規模を拡大し、5分間、いずれは5時間維持することも可能だ」と述べている。

 英国原子力公社(UKAEA)は今回の実験結果について、「安全で持続可能な低炭素エネルギー源としての核融合エネルギーの可能性を世界で最も明確に示すもの」だと指摘した。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件

参考:核融合とは(コトバンク)
   トカマクとは(コトバンク)