Web3と言われるブロックチェーンを基盤にした新しい経済圏は、女性の働き方を大きく変える可能性を秘めているのかもしれない。
ポッドキャスト「JOI ITO’S PODCAST ― 変革への道― 」今回の配信は、先週に引き続きマサチューセッツ工科大学のメディアラボの元所長で、株式会社デジタルガレージの共同創業者でもある伊藤穰一が、SHE株式会社代表取締役CEO/CCOの福田恵里さんと対談を行い、女性の社会進出とWeb3の親和性などについて語った。
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伊藤穰一（以下、伊藤）：アメリカと比較してみると、日本のWeb3、NFTのアーティストは女性が多いんです。スプツニ子さんだとか、関口愛美さんとかあとはZombie Zoo Keeperの草野絵美さんとか、結構女性パワーが強いんです。そういう意味でSHEのコミュニティに僕は、すごく期待しているんです。やっぱりWeb3はまだあまり大学で教えてないですしね。昔ホームページを作るHTMLもみんな知らなかった頃に、友達同士でコミュニティーで教えあっていて、ニーズがある技術者が生まれていたんです。日本のSHEの仲間とか、女性のパワーがWeb3に何か影響を与えてくれるように思うんです。SHEのコミュニティーメンバーの中で賛同してくれるような人たちはいると思いますか？
福田恵里（以下、福田）：沢山いると思いますよ。SHEの中で働いている方々は、自分で職業をクリエイトしている方々が非常に多いんです。デザイナーとかマーケターなど、既存の枠組みにとらわれずに、オリジナルの職業の形を作ってしまう方や、スキルではなく、人をエンパワーメントするのが好きという自分の性格を職業にしてしまうような方もいらっしゃいます。NFTアートという新しい分野で、新しいスキルや文化を取り入れながら、自分たちのユニークネスみたいなところを掛け合わせて職業を作り、社会に新しい風穴を開けていくということは、会員の方々も、すごく興味がある部分だと思いますし、私自身も取り組んでいきたいテーマなので、すごく可能性を感じます。
また、福田さんはトークンを使った新しい経済圏の創出についても期待を寄せているという。
福田：今後、取り組んでいきたいこととしては、SHEのコミュニティー内の熱狂を生かして、お金じゃないポイントのやりとりができるような経済圏を、NFTやクリプトの概念を使って実現していきたいと思っています。例えば仕事における報酬という意味ではなく、誰かの困っている悩みを解決してあげたことに対して報酬を、コミュニティ内通貨みたいなものでやりとりするようなものを構築していきたいと思っています。働き方の概念をもう少し広く捉えて、アップデートしていけるようなものを作ってみたいと思っています。
実は、伊藤穰一は番組から派生した「Henkaku Discord Community」と呼ばれるオンラインのコミュニティを運営しており、そこで「$Henkaku」というトークンを発行し、新しい経済圏構築の実験を行っている。
伊藤：僕らのコミュニティの中でも今、デジタル通貨を使って同じようなことを行っています。これは、金融庁のルールに準じたものなので、基本的にはお金と交換できないコインになります。その代わりに、助け合うときにやりとりをするのです。このデジタル通貨があると誰かを一生懸命手伝ってたっていうことが、お互いみんな認め合える方法になるんじゃないかなという仮説のもと実験をおこなっているんです。そういった実験もある程度は検証できてるので、その辺も何かいいコラボレーションできたらいいなと今聞いて思いました。
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番組では、事前に番組のコミュニティやリスナーから寄せられた質問に、２人で答えながら女性の働き方について広い視点で語り合う場面もあった。詳しい内容については、番組の中で。
【JOI ITO 変革への道 – Opinion Box】
番組では、リスナーからのお便りを募集しています。番組に対する意見だけでなく、伊藤穰一への質問なども受け付けます。特に番組に貢献したリスナーには番組オリジナルのNFTをプレゼントしています。
https://airtable.com/shrKKky5KwIGBoEP0
【編集ノート】
伊藤穰一からのメッセージや、スタッフによる制作レポート、そして番組に登場した難解な単語などはこちら。
https://joi.ito.com/jp/archives/2022/02/21/005764.html
■「JOI ITO’S PODCAST ―変革への道―」
#18 女性の社会進出とWeb3の親和性
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