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北京で自動運転タクシー始まる 「中国のグーグル」百度やトヨタ出資企業

小馬智行が開発した無人自動運転車(2018年2月2日撮影、資料写真)。(c)CNS:廖樹培

小馬智行が開発した無人自動運転車(2018年2月2日撮影、資料写真)。(c)CNS:廖樹培

【東方新報】中国のIT大手・百度(Baidu)と、トヨタ自動車(Toyota Motor)が出資するスタートアップ企業・小馬智行科技(Pony.ai)が、北京市の一部エリアで自動運転タクシーのサービスを始めた。中国で初めて、運転席に人が乗らない形での自動運転タクシーが実現した。

 北京市の許可を得て、同市南東部にある亦庄(Yizhuang)経済開発区の60平方キロのエリアで4月28日から始まった。利用者は、両社のアプリを通じてタクシーを呼び出す。安全管理者として助手席にスタッフが乗車している。

「中国のグーグル(Google)」と呼ばれるように検索エンジンで知られている百度は、2019年から自動運転タクシーの実証実験に乗り出した。すでに北京市、上海市、広州市(Guangzhou)、深セン市(Shenzhen)などで乗客を乗せているが、運転席にスタッフが乗車している。今回のサービスは車両10台から始め、今後は30台を追加する。

 百度の魏東(Wei Dong)首席安全運営官は「人が車を運転するのに免許証が必要なように、自動運転タクシーも『免許証』が必要です」と話す。自動運転タクシーは何百種類ものシミュレーションテストを受け、第三者機関による厳格な検査に合格した上で道路を走ることができ、安全面の問題はないと説明する。百度が自主開発した自動運転タクシー「Apollo Moon」は、1台当たりのコストが48万元(約942万円)にまで下がっているという。

 自動運転のタクシーとトラックを開発している小馬智行の彭軍(Peng Jun)CEOは「自動運転は試験段階から商用実用化に向けた重要な段階を迎えた」と意気込んでいる。

 また、百度や小馬智行と同じく自動運転技術を開発する「文遠知行(WeRide)」が自動運転のタクシー、バス、物流車、路面清掃車を開発しており、5月から広州市で完全無人運転が可能な路面清掃車の公道テストを実施している。

 中国ではすでに鉱山や港湾では無人トラックが稼働し、コロナ禍の都市では食料や日用品を運ぶ無人配達カーが活躍しているが、人を乗せる自動運転の社会がついに実現しつつある。【翻訳編集】 東方新報/AFPBB News|使用条件

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朝日新聞社にてデジタルメディア全般を手掛ける。「kotobank.jp」の創設。「asahi.com(現朝日新聞デジタル)」編集長を経て、朝日新聞出版にて「dot.(現AERAdot.)」を立ち上げ、統括。現在は「DG Lab Haus」編集長。