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深刻な「冬」続く中国携帯市場 5Gや折りたたみスマホも起爆剤ならず

高価格帯のスマホを手掛ける中国の栄耀(2020年11月17日撮影、資料写真)。(c)CNS:侯宇

高価格帯のスマホを手掛ける中国の栄耀(2020年11月17日撮影、資料写真)。(c)CNS:侯宇

【東方新報】中国の携帯電話市場は今年に入り、ずっと「厳冬」の状態が続いている。中国情報通信研究所によると、第1四半期(1~3月)の国内出荷台数は前年同期比29.2%減の6934万6000台。さらに4月は前年同月比34.2%減の1807万9000台に落ち込んだ。このうち5Gスマートフォンは1458万5000台で全体の8割を占めたが、出荷台数は前年同月比31.9%減。5Gスマホが市場をけん引する役割を果たしていない。

 高価格帯のスマホを手掛ける米アップル(Apple)や中国の栄耀(Honor)は売り上げをキープしているが、低価格帯の機種が多い中国スマホ大手の小米科技(シャオミ、Xiaomi)、オッポ(OPPO)、Vivoの3社が特に打撃を受けている。中国メディアによると、3社は出荷台数を計画より20%程度減らすと取引先に通達したという。中国の半導体受託生産最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)の趙海軍(Zhao Haijun)共同CEOは「世界のスマホメーカーの今年の生産台数は業界の事前予測より2億台減少する。そのほとんどが中国のスマホメーカーによるものだ」と話している。世界の携帯出荷台数の5分の1を占める中国市場の低迷は、国際的な影響を与える。

 低迷の理由について、専門家や調査機関の見方はおおむね一致している。半導体チップの不足やコロナ禍による生産・流通の停滞、スマートフォンに「これまでになかった機能がついている」というほどのイノベーションがないこと、さらにコロナ禍による生活不安で消費者が買い控えしていることなどが挙げられる。生産現場、機種の魅力、消費者心理それぞれにマイナス要素がある。鳴り物入りで各社が販売した折りたたみ式ディスプレーのスマートフォンも、メーカー側の期待ほど売れ行きは伸びていない。ユーザーの携帯電話の買い替えサイクルは2019年では16~18か月と短かったが、最近は31か月を超えているという。

 市場調査機関CINNO Reserchアナリストの劉雨実(Liu Yushi)氏は「半導体不足などの状況は今後も続く。国内携帯市場は来年第1四半期まで改善されないだろう」と厳しい見方をしている。売り上げを伸ばしている栄耀の趙明(Zhao Ming)CEOも「率直に言って今年の予測を出すのは本当に難しい」と楽観視していない。

 中国メディアの報道では、国内スマホメーカーが「自動車産業に進出する」「仮想現実(VR)・拡張現実(AR)技術を開発し、メタバース業界に乗り出す」というニュースが散見されるが、まだ具体的な計画は発表されていない。中国スマホ業界の先行きはまだ見通せない状況だ。【翻訳編集】 東方新報/AFPBB News|使用条件

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