マサチューセッツ工科大学のメディアラボ元所長で、株式会社デジタルガレージの共同創業者でもある伊藤穰一がナビゲーターを努めるポッドキャスト「JOI ITO’S PODCAST ―変革への道― 」。今回は、アントレプレナーであり、クリエイティブティディレクターの草野絵美さんと対談が行われた。
草野さんは、昨年夏に話題となった小学生NFTアーティストZombie Zoo Keeperのお母さん兼マネージャーとしても知られている。最近では、アニメ化プロジェクトを始動したり、メタバースのSandboxとコラボレーションを行うなどさまざまな計画が進んでいる。
さらに、Zombie Zoo Keeperの活動中に知り合った人々と、全く新しいNFTプロジェクト「新星ギャルバース」を発足し、4月14日に8888体のNFTを発売した。日本のアニメーションやギャル文化など、さまざまな要素を散りばめた和製NFTとして発売前から話題を集め、発売後およそ5時間で完売している。
まさにNFTアートの最前線で戦い続ける草野さんにその極意を聞いた。
* * *
伊藤穰一(以下、伊藤):絵美さんはものすごいエネルギーで、さまざまな人々を巻き込み、フルスピードで実施したから成功したわけですよね。簡単にできることではないですよね。
草野絵美(以下、草野):簡単じゃないですね。(中略)やっぱり私たち(の作品)がうまく完売できたのは、「本当に好きなことでやってた」というのがすごく重要だと思うんです。NFTの中には、アーティストのクレジットもないものも多いんですが、「これはアズキに似てるか売れそうだな」という気持ちで買う人がほとんどの場合は、すぐにたたき売りされちゃうんです。だからこそ、心を込めて創作しています。また、大平彩華も私もFully Doxxed(プロフィールやポートフォリオを開示していることを指すスラング)で今までの作品とかも見れるから、「これからも創作を続けてくれる」というところに多分価値を感じてくれたのかなと思います。
伊藤:値段などを観察していると、結構長い間じりじりと上がっていくものの方が、最終的な価値は高いんですよね。以前は、短期的に上げて売り抜ける方がすごく多かったんだけども、特に今トークンの値段が下がってきているから、すごくロングタームをみんな見るようになってきたと思うので、やっぱりそういう意味でロードマップもあって、それをちゃんとこんなしそうな人たちを、みんな探しているような気もしますよね。
草野:そうですね。多分、色々プロジェクト立ち上がり過ぎているので、多くが淘汰されていき、よりビジネスもちゃんとやってて、アーティストも情熱があるプロジェクトが多分評価される時代になってきてますよね。
* * *
新星ギャルバースについてもアニメ化を目指してプロジェクトが進行しているという。NFT発ならではのアニメのあり方や、コミュニティとの関わりについての議論もあった。詳しくは番組をお聞きいただきたい。
【JOI ITO 変革への道 – Opinion Box】
番組では、リスナーからのお便りを募集しています。番組に対する意見だけではなく、伊藤穰一への質問なども受け付けます。特に番組に貢献したリスナーには番組オリジナルのNFT会員証をプレゼントします。
https://airtable.com/shrKKky5KwIGBoEP0
【編集ノート】
伊藤穰一からのメッセージや、スタッフによる制作レポート、そして番組に登場した難解な単語などはこちら。
https://joi.ito.com/jp/archives/2022/07/11/005805.html
■「JOI ITO’S PODCAST ―変革への道―」
#37 草野絵美さんに問う「NFTアートの最前線で戦う極意」