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フォロワー数2200万人、科学の楽しさを伝える中国のネット配信者

動画撮影で昆虫を見せながら、特徴と習性を紹介する張辰亮さん(左、2022年6月28日撮影)。(c)Xinhua News

動画撮影で昆虫を見せながら、特徴と習性を紹介する張辰亮さん(左、2022年6月28日撮影)。(c)Xinhua News

【Xinhua News】中国科学院地理科学・資源研究所傘下の中国国家地理雑誌社に勤める張辰亮(Zhang Chenliang)さん(34)は、「抖音(ドウイン、Douyin)」や「嗶哩嗶哩(ビリビリ、bilibili)」など中国の動画投稿アプリで動物や植物に関連する知識を共有し、現在、2200万人を超えるフォロワーがいる。「ネットユーザーの生活百科全書」とも呼ばれ、ユーモアたっぷりの動画配信で人気を集めている。

 張さんは幼い頃から昆虫の観察や研究が好きで、南京農業大学に進学。卒業後は中国農業大学の大学院で半翅目(はんしもく、カメムシ目)の昆虫の研究に打ち込み修士号を取得した。

 2011年、修士課程で学んでいた張さんは、同社の科学雑誌「博物」の編集部にインターンとして加わった。そこで最初に任された仕事が、フォロワーが当時わずか2万人だった短文投稿サイト「微博(ウェイボー、Weibo)」の公式アカウントを運営することだった。

 コンテンツをより魅力的なものにするため、張さんはフォロワーとの交流を試みた。フォロワーからの質問に答え、より多くの動植物とその習性や特徴を理解できるようサポートした。

 次第に「ネットユーザーの生活百科全書」となっていった張さんに微博を通して寄せられる質問はますます増え、アカウントのフォロワー数も倍増した。

 13年に大学院を修了すると、張さんは同社に就職した。19年には、抖音に個人アカウントを開設して動植物に関する科学知識を発信し、現在ではフォロワー数が2200万人を超えている。

 張さんはこのところ、自身のチームと海南省(Hainan)や雲南省(Yunnan)など自然資源が豊富な地域を多く訪れ、各地の固有種を探している。オリジナリティーがあり人々にとって身近なドキュメンタリー作品を制作したいという。

 張さんは「今後はより多くの研究の現場に足を運んで、そこで働く研究者の日常活動を紹介していく。中国科学院動物研究所を探索するシリーズ動画を制作して配信したところ、現地には多くの見学者がやって来て駐車場が満車になった」と語った。

 あるフォロワーの少女は、張さんの動画を見て撮影地を訪れ、記念写真を撮った。中国科学院に合格するよう全力で頑張り、将来は生物学者になりたいと考えている。

 張さんは「自分の仕事が人々のためになり、自分のしていることが若者に良い影響を与えていると実感した」と語った。(記者/陳子薇)【翻訳編集】Xinhua News/AFPBB News|使用条件