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再び立って歩きたい、負傷兵のリハビリに「外骨格」 フランス

仏パリのアンバリッド病院でエグゾスケルトン(外骨格)のデモンストレーションをする医師(2022年11月9日撮影)。(c)STEPHANE DE SAKUTIN : AFP

仏パリのアンバリッド病院でエグゾスケルトン(外骨格)のデモンストレーションをする医師(2022年11月9日撮影)。(c)STEPHANE DE SAKUTIN : AFP

【AFP=時事】パリのアンバリッド(Les Invalides)病院で、リハビリ用エグゾスケルトン(外骨格)を利用して、重傷を負った兵士が再び立って歩けるようにする試みが最近始まった。

 このエグゾスケルトンは、フランスのスタートアップ企業ワンダークラフト(Wandercraft)が開発した「アタランテ(Atalante)」。患者を立った姿勢で支え、歩くために必要な筋肉の再生を助ける。

 同病院の医師によると、アタランテは再び歩けるようになる患者にはリハビリ期間を短縮する効果があり、再び歩くことができない患者にとっても、立った姿勢を取ることによって骨粗しょう症の進行を遅らせて骨折のリスクが減るメリットがあるという。この医師は自らアタランテを装着して立ち上がり、歩行やバスケットボールを投げるなどのデモンストレーションをしてくれた。

 アタランテは発売されてからの3年間に、約20のフランスの病院が導入した。価格は1台約20万ユーロ(約2900万円)。アンバリッド病院のものは、任務中に負傷した兵士の支援団体ソリダリテ・デファンス(Solidarite Defense)が今年寄贈したものだ。

 ワンダークラフトの共同創業者、ジャンルイ・コンスタンザ(Jean-Louis Constanza)氏は、このようなエグゾスケルトンは世界各地で開発されているが、「われわれのモデルは自らバランスを取れる唯一のもので、安定させるためのクラッチが不要だ」と説明する。

 10年前にアフリカのサヘル(Sahel)地域で負傷して四肢が麻痺し、9年前からこの病院にいるというセザールと名乗る元兵士(35)は、エグゾスケルトンを使うと他の人と同じ目の高さになるのがうれしいと話した。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件