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レーザー光線で雷を誘導、実験に初成功 英科学誌に論文

スイス・センティス山近くのシュヴェッガルプから撮影された落雷。ENSTA Paris提供(2023年1月16日撮影)。(c)AFP PHOTO/ENSTA Paris - Institut Polytechnique de Paris

スイス・センティス山近くのシュヴェッガルプから撮影された落雷。ENSTA Paris提供(2023年1月16日撮影)。(c)AFP PHOTO/ENSTA Paris - Institut Polytechnique de Paris

【AFP=時事】レーザー光線で雷を誘導する実験に世界で初めて成功したとする論文が16日、英科学誌「ネイチャー・フォトニクス(Nature Photonics)」に掲載された。将来的には雷を誘発し、落雷被害を減らすことも期待されている。

 世界では毎秒40~120回の落雷が起き、毎年4000人以上が死亡し、数十億ドル規模の損害が出ている。だが、落雷から身を守る術は、いまだに簡単な構造の避雷針が主となっている。避雷針は米科学者ベンジャミン・フランクリン(Benjamin Franklin)が1749年に発案した。

 六つの研究機関などの科学者から成るチームは長年にわたり、金属の棒を、より洗練され確度の高いレーザーで代用する方法を研究してきた。

 今回発表された論文によると、チームはスイスにある標高約2500メートルのセンティス(Santis)山の山頂から照射したレーザー光線で、50メートル以上にわたり雷を誘導することに成功した。

 理論的には雷を誘発させることも可能とされる。このため、将来的には、タイミングを選んで雷を誘発することにより、空港やロケット発射台など戦略的に重要な施設を守ることができるようになると考えられている。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件