医療AIに読み込ませた骨髄塗抹標本を見せる検査技師(2023年2月14日撮影)。(c)Xinhua News
【Xinhua News】中国重慶市(Chongqing)にある陸軍軍医大学新橋医院はこのほど、同院の血液疾患医学センターが中心となって開発した人工知能(AI)画像診断システムが、5年間の「学習」を通じて2千余りの臨床例を蓄積したと明らかにした。
これまでに49種類の異常血液細胞を識別し、平均識別率は9割を超えた。同システムは大部分の臨床類型をカバーし、病理診断の適合度も高く、臨床需要をほぼ満たしている。
血液細胞の画像学的検査は、血液系、リンパ系疾患の臨床判断の重要な根拠となるが、これまでの血液実験室での検査や診断は、人による顕微鏡観察が中心で、手ぶれや医師の経験の差が臨床の応用や発展速度を厳しく制限していた。
血液疾患医学センター主任の張曦(Zhang Xi)教授によると、同院の血液細胞AI画像診断システムは過去5年間、大量の画像データと診断データを通じて神経回路網に対する深層学習(ディープラーニング)を継続的に行い、診断能力を習得し、検査の効率と速度を効果的に向上させてきた。
日常業務では、検査技師が骨髄塗抹標本を顕微鏡に置いてスキャンするだけで、AI画像診断システムが1秒以内にディスプレイに各種細胞の名称を表示するとともに、病変細胞をマーキングし、医師が作成する病理検査報告書の根拠を提供する。
張氏は、臨床現場でこの技術が普及すれば、末梢血細胞の形態学的検査に画期的な進展をもたらし、人による顕微鏡形態検査に徐々に取って代わる可能性があると説明。近い将来には、総合臨床との結合により画像解読や正確な検査結果、明確な検査診断を豊富に盛り込んだ末梢血細胞の検査診断報告を出すことも可能になるとの見方を示した。(記者/劉恩黎)【翻訳編集】Xinhua News/AFPBB News|使用条件