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ChatGPTに対抗、中国企業の生成AIが結集 上海の世界人工知能大会

上海市で開催された2023世界人工知能大会(2023年7月6日撮影)。(c)CNS:湯彦俊

上海市で開催された2023世界人工知能大会(2023年7月6日撮影)。(c)CNS:湯彦俊

【東方新報】人工知能(AI)などの世界最先端技術が集結する「2023世界人工知能大会(WAIC)」が7月6~8日、中国・上海市の世界博覧センターで開かれた。大会は2018年に始まり、今年で6回目。展示面積は5万平方メートル、出展企業は約400社といずれも過去最多を更新した。成約額は110億元(約2137億円)、重要産業プロジェクトの調印は32件、プロジェクト投資総額は288億元(約4429億円)に上った。

 会場の展示は大規模言語モデル、半導体チップ、ロボット、スマート自動運転など多岐にわたった。AIと仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、複合現実(MR)を結合した最新技術も披露された。大会参加者は延べ17万7000人。計算機科学分野で重要な業績を挙げた研究者に与えられるチューリング賞やノーベル賞の受賞者も参加した。

 昨年の大会テーマは「スマートで世界をつなぎ、限界なきメタバース」。インターネット上に構築された3次元の仮想空間であるメタバースの最新技術が集まり、会場では多くのバーチャルアイドルが来場者を迎えた。今年の大会テーマは「AIで世界をつなぎ、未来を生成」。注目はやはり、生成AIだ。

 対話型AI「チャットGPT(ChatGPT)」が全世界で広がる中、中国のIT企業も生成AIを披露した。「中国のグーグル」と言われる検索大手「百度(Baidu)」の「文心一言」、電子商取引大手「阿里巴巴集団(アリババグループ、Alibaba Group)」の「通義千問」、通信機器大手「華為技術(ファーウェイ、Huawei)」の「盤古Chat」、音声認識大手「科大訊飛(アイフライテック、iFLYTEK)」の「訊飛星火」、ディープラーニング(深層学習)技術を応用する企業「商湯科技(センスタイム、SenseTime)」の「日日新」などがそろいぶみ。生成AIが医療、教育、ビジネス事務、自動車、製造、金融など幅広い分野で活用できるモデルを示した。

 無人運転のスマートコネクテッドカーの展示イベントでは、複数企業が自動運転車をアピール。米テスラ(Tesla)のイーロン・マスク(Elon Musk)CEOはオンライン形式で大会開幕式にスピーチを行い、「今年末には完全自動運転が実現されるだろう。自動運転の技術を他の自動車メーカーと共有したい」と話した。上海市内では一部エリアで無人運転車両のテスト走行が許可され、無人運転は実用化の入り口段階に入っている。

 大会では、中国科学技術情報研究所が「2022世界人工知能イノベーション指数報告」を発表。人材や教育、特許、イノベーション制度などの分野で各国のイノベーション指数を4グループに分けたもので、米国と中国が第1グループ、第2グループに英国、ドイツ、日本などが入った。【翻訳編集】東方新報/AFPBB News