Open Innovation Platform
FOLLOW US

ロシア、「デジタル・ルーブル」試験運用開始

ロシア・モスクワの外貨両替所(2023年8月14日撮影)。(c)Yuri KADOBNOV : AFP

ロシア・モスクワの外貨両替所(2023年8月14日撮影)。(c)Yuri KADOBNOV : AFP

【AFP=時事】ロシア政府は15日、連邦中央銀行が発行するデジタル通貨「デジタル・ルーブル」の試験運用を開始した。ウクライナ侵攻をめぐる国際社会からの制裁の影響を抑える狙いがある。

 銀行13行と個人600人が参加する試験運用では、全国11都市の30か所でデジタル・ルーブルによる決済が可能となる。

 中銀によると、長期的には「市民は無料、法人は最低限の手数料」で利用できるようにするという構想で、「2025~27年中をめどに」希望するすべてのロシア人に普及させたいとしている。

 昨年のウクライナ侵攻開始後、ロシア系銀行の多くは国際銀行間通信協会(SWIFT、スイフト)の決済網から排除されたため、ロシア政府は決済の脱ドル化や代替システムの開発を模索してきた。

 デジタル・ルーブルは暗号通貨と同様、ブロックチェーン技術を使用し、分散型データベースを通じて利用者間の直接取引を可能にする。

「中央銀行のデジタル通貨」として管理はより厳重で、電子ウォレットのシステムはロシア連邦保安局(FSB)が監視する。当局は決済の安全性が高まるとしているが、政府による国民監視強化の一環だとする批判もある。

 米シンクタンク、アトランティック・カウンシル(Atlantic Council)によると、デジタル通貨の試験運用に入った国はロシアが21か国目。【翻訳編集】 AFPBB News