【Xinhua News】中国科学技術大学(安徽省合肥市)はこのほど、同大の潘建偉(Pan Jianwei)、陸朝陽(Lu Chaoyang)両氏らからなる研究チームが、中国科学院上海マイクロシステム・情報技術研究所、国家並列コンピューター工程技術研究センターと共同で、255個の光子を検出する量子コンピューターの試作機「九章3号」の開発に成功し、光量子情報技術の世界記録を再び更新したと発表した。
ガウシアンボソンサンプリングと呼ばれる量子計算の速度は、現在世界最速のスーパーコンピューターの2京倍となり、量子コンピューターの開発で重要な一歩を踏み出した。
潘氏のチームは2020年、76個の光子を検出する量子コンピューター試作機「九章」を開発。当時最速のスパコンより100兆倍速くガウシアンボソンサンプリングを実行し、中国を量子コンピューターの優位性を示す「量子超越性」で世界第2位に押し上げた。21年には113個の光子を検出する「九章2号」と66ビット超伝導量子コンピューター試作機「祖冲之2号」の開発にも成功し、中国は光量子と超電導の二つの技術方式で量子超越性を達成した唯一の国となった。
量子コンピューター分野で公表されている精度が最も高い古典アルゴリズムによると、九章3号のガウシアンボソンサンプリング処理速度は、九章2号に比べ100万倍向上している。九章3号が1マイクロ秒(マイクロは100万分の1)で処理する最も複雑なサンプルを現在世界最速のスパコン「フロンティア」が処理するには約200億年かかるという。 今回の成果は11日、国際的な物理学誌「フィジカル・レビュー・レターズ」に掲載された。【翻訳編集】Xinhua News/AFPBB News|使用条件