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札幌市と渋谷区、スタートアップ・エコシステムの連携協定を締結

札幌市の秋元克広市長(左)と渋谷区長谷部健区長

札幌市の秋元克広市長(左)と渋谷区長谷部健区長

 札幌市と渋谷区が31日、地域のイノベーションの加速を目的とし、スタートアップ・エコシステム形成に関する連携協定を締結した。この協定により、両地域はお互いの強みを活かし、実証フィールドの共有、支援拠点の相互利用、人材交流などを通じてイノベーションを促進し、スタートアップ・エコシステムの強化を図る。

 具体的な連携内容として、女性起業支援のイベントが2日に渋谷で開催される。さらに東京に集中する投資家を、札幌に集めてのスタートアップピッチなども今後予定している。また、ビジネス、観光とさまざまな目的で世界中から人が集まる渋谷と、大都市でありながらも広大で過酷な自然環境を周辺地域に持つ札幌。この大いに特性が異なるフィールドを実証実験の場として相互活用し、都市の課題、地方の課題どちらに取り組むスタートアップであってもサポートできる体制を構築する。

 31日に開催された連携協定記念シンポジウムには、両地域のスタートアップを代表して、株式会社komham西山氏(代表取締役)とSORA Technology株式会社加藤氏(Technical Lead)が登壇した。微生物群「コムハム」を使って 生ゴミ処理をする株式会社komhamの取り組みについては以前当媒体でも紹介したが、札幌に拠点を構えながらも渋谷区で実証実験を積み重ねる同社は、まさに両都市の連携の先行例だ。

 地方発のスタートアップにとって、地元都市だけに留まらない都市間連携で拡大されたエコシステムの存在は、その後のグローバル展開を考えた際にも必須だ。

 渋谷と札幌。当媒体にとってもアクセラレータプログラム「Open Network Lab」の活動拠点として馴染みのある両都市の協力関係がもたらす成果には大いに期待したい。

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朝日新聞社にてデジタルメディア全般を手掛ける。「kotobank.jp」の創設。「asahi.com(現朝日新聞デジタル)」編集長を経て、朝日新聞出版にて「dot.(現AERAdot.)」を立ち上げ、統括。現在は「DG Lab Haus」編集長。