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若者もAIによる個人表現力の低下を懸念 中国

第25回中国国際ハイテク成果交易会が深センで開催された。注目を集めたAI水中ロボット(2023年11月15日撮影、資料写真)。(c)CNS:陳文

第25回中国国際ハイテク成果交易会が深センで開催された。注目を集めたAI水中ロボット(2023年11月15日撮影、資料写真)。(c)CNS:陳文

【CNS】現在、AI業界の進化は日進月歩で、テキスト生成、画像拡張、動画制作などはAIツールを活用して簡単に行うことができるようになった。情報収集、プランニング、レポート作成なども指先一つで「ワンクリック」で実現できる。しかし、AIツールは仕事や生活を便利にする一方、いくつかの課題も抱えている。

 最近、中国青年報(China Youth Daily)傘下の中国青年報社社会調査センターと問巻網(Wenjuan.com)が共同で行った調査によれば、1333人の若者のうち73.5パーセントがAIツールの普及により個人の表現力が低下することを懸念していることが明らかになった。

「現時点では、AIツールは自然言語の対話を切り口とし、大規模なデータ計算を基盤として、文章作成と表現において根本的な変革をもたらしている」と、曁南大学(Jinan University)中国語学科の鄭煥釗(Zheng Huanzhao)副教授は述べている。

 スタンプ、ネットスラング、シンプルなネット口語文化がメディアの影響を受けて文章記号を変化させるなら、人間の思考と表現能力への影響は、思考の洗練から粗雑化への変化がより顕著になるだろう。

 AIツールの高度な知能化は、言語表現や文章作成方法を代替するようになっている。「AIツールが人びとの表現力に与える影響は、既に創造的思考のレベルにまで及んでいる」と、鄭副教授は話す。

「AIツールは仕事や生活を効率的かつ便利にする一方で、それにより、人びとは思考や表現を怠けるようになる可能性もある」と、浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)で働く90後(1990年代生まれ)の劉源(Liu Yuan)さんは述べている。劉さんは、AIツールが生成するコンテンツは革新性に欠け、そのユニークさや構想力には限りがあるとみている。

「私たちは他人の素晴らしい言葉に感動したり、真摯な文章に感銘を受けることがある。これこそが言語表現の魅力であり、その背後にはAIツールが持ち得ない深い意味がある」と、劉さんは言う。

 調査によれば、AI時代の到来に伴い、85.6%の若者が独立した思考と自己表現の能力をより重視するようになったと回答した。さらに詳しく分析すると、80後(1980年代生まれ)の回答者の賛成率が92.7パーセントで最も高く、続いて00後(2000年代生まれ)の回答者が90.4パーセントだった。

「私たちはAIツールの利便性と知能化に直面しているが、単に拒否や抵抗するのではなく、どのように AIの表現と執筆とが共存できるかを考えるべきだ」と、鄭副教授は述べる。AIツールは私たちを日常の煩雑な作業から解放し、言語と文章の創造的な作業を可能にした。「これにより、私たち自身がメディアリテラシーを向上させ、知能ツールを適切に活用する能力を持ちながら、言語と文章の表現力を育むこと、そして体験、感想、創造性のある言語表現能力を高めることも重要だ」と、鄭副教授は述べた。【翻訳編集】CNS/AFPBB News|使用条件