【AFP=時事】韓国の市役所に初めて導入された「ロボット公務員」が先週、庁舎内で応答しない状態で見つかったことが明らかになった。庁舎内の階段を自ら転げ落ちた可能性があるという。
韓国南部・慶尚北(North Gyeongsang)道の亀尾市は26日、ロボットは階段で2メートルの高さから転落したとみられると発表した。
AFPの取材に応じた市役所職員は、正確な落下原因は調査中だが「まるで何かがそこにあるかのように」ロボットが同じ場所で旋回を続けていたという目撃情報があると述べた。
また、このロボットは「日々の書類配達や市の広報、市民への情報発信」などの支援に従事していたという。
別の職員は「ロボットは正式に市役所の一員であり、私たちの仲間だった。熱心に働いていた」とAFPに語った。地元メディアは「勤勉な公務員はなぜ自殺したのか?」「ロボットに耐えがたい激務か?」といった見出しを掲げた。
昨年8月に採用されたこのロボットは、米カリフォルニア州の配膳ロボットメーカー「ベア・ロボティクス(Bear Robotics)」社製。公務員身分証を持ち、午前9時から午後6時まで働いていた。
通常、同一階でしか使用できないこうしたロボットとは異なり、亀尾市に導入されたロボットは自らエレベーターを呼び、別の階に移動することができた。韓国は熱心にロボットを採用している国の一つ。国際ロボット連盟(IFR)によるとロボット密度は世界一で、産業用ロボットは従業員10人に1台の割合で導入されている。
現時点で亀尾市は、2台目のロボット公務員の採用は予定していないという。 【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件