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中国の科学者、天の川銀河が想像より大きいことを発見

天の川銀河を外側から見た想像図(資料写真)。(c)Xinhua News

天の川銀河を外側から見た想像図(資料写真)。(c)Xinhua News

【新華社昆明7月16日】中国の科学者がこのほど、天の川銀河の広域調査APOGEE(アパッチポイント天文台銀河進化観測実験)の近赤外恒星分光サーベイデータを利用して、初めて天の川銀河の内から外に向けた恒星の完全な半径方向密度分布を再現することに成功し、測定により「天の川銀河はこれまで想定されていたよりも大きい」という結果を得た。研究成果は国際的な学術誌「ネイチャー・アストロノミー」に掲載された。

論文の筆頭著者である雲南大学中国西南天文研究所の連建輝(れん・けんき)副教授によると、研究チームは恒星の新たな面密度分布に基づき、天の川銀河の半光度半径(銀河の全光度の半分を含む半径)がこれまでの推計のほぼ2倍(約1万9千光年)で、近隣にある同質量の銀河と半径が基本的に一致していることを発見し、銀河の大きさから見て天の川銀河は典型的な円盤銀河であることが示されたという。

人類のふるさとである天の川銀河について、研究者による大量の識別可能な恒星の観測を通じて、その進化の歴史を詳細に分析できるようになった一方で、天の川銀河全体の構造に対する明確な認識は長きにわたり不足してきた。天の川銀河の構造を研究する上での主な難題の一つは、太陽系が天の川銀河の円盤平面上にほぼ位置しており、ちりによる減光が天の川銀河主要部(円盤の内側と銀河の中心)方向の観測に深刻な影響を及ぼし、「いかなる光学バンドによる天体観測も無効」になってしまう点にあった。

連氏は「ちりによる減光が波長の長い光子に与える影響は急速に小さくなるため、近い赤外線光学バンドによる観測がこの難題を大きく改善しうる」と述べ、ここ数年の天文観測技術の進歩、特に大型近赤外線恒星分光サーベイの実施に伴い、難題解決に向けてかつてないチャンスがもたらされたと説明した。

研究チームは世界初の大型近赤外線恒星分光サーベイプロジェクトであるAPOGEEをベースとし、APOGEE観測の不均一性やちり、恒星の特性について総合的な分析を行うことで、天の川銀河を構成する各年齢の星による、バルジ(銀河中心部)から外側円盤までのリアルで完全な面密度分布の体系的な再現に初めて成功。研究の結果、天の川銀河の円盤構造は外側区域で典型的な指数分布に一致した一方で、内側区域では恒星の密度がほぼ平坦に保たれており、外側の指数分布とは明らかに異なることが示された。

連氏は「これまでは指数関数的な円盤の仮説を踏まえ、天の川銀河は半光半径が約1万光年と同質量の銀河よりも小さいコンパクト銀河であるとされてきた」と述べた上で、今回の研究はこの仮説を覆すものであり、天の川銀河全体の物理性質測定や、天の川銀河と他の銀河との相互比較研究に新たな次元を開き、天の川銀河関連研究に大きな影響を及ぼすとの見方を示した。(記者/許万虎、厳勇)【翻訳編集】Xinhua News/AFPBB News|使用条件

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