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さまざまな癌の画像を読み取る汎用AIモデル開発・中国

モニターを使用してAI画像解析を行っている医療従事者(2024年7月11日撮影、資料写真)。(c)CNS:金碩

モニターを使用してAI画像解析を行っている医療従事者(2024年7月11日撮影、資料写真)。(c)CNS:金碩

【東方新報】中国の研究チームが、人体の肺、乳房、肝臓など20以上の臓器の医療画像を検査できる国内初の「汎用AIモデル」を開発した。「パスオーケストラ(PathOrchestra)」という名で知られるこの大規模言語モデルは、AIによる疾病診断のブレークスルーを象徴している。従来の特定のがんに対応する単一モデルから、多くのがんに対応できる汎用性の高いモデルへの転換を告げるものだからだ。

 空軍軍医大学(Air Force Medical University)、清華大学(Tsinghua University)並びに北京のAI企業「商湯科技(SenseTime)」の研究者たちは、中国国内最大のデータセットを利用した。このデータセットには、約30万枚の全視野デジタル病理画像があり、300テラバイトのデータに相当する。

 自律学習を利用したこのモデルは、20以上の異なる臓器を分析するための交互学習を行い、全がん種統合分類、病変の識別と検出、多がん種サブタイプ識別、バイオマーカー評価など、多くの臨床タスクを達成した。

 空軍軍医大学基礎医科学アカデミーの王哲(Wang Zhe)教授は「病理画像の多様性はAIアプリケーションにとって手ごわい挑戦であり、その複雑さゆえに画像処理の領域では『王冠の宝石』と称されるほどだ」とAI解析の難しさを強調する。

 同大学の発表によると、「パスオーケストラ」は、リンパ腫のサブタイプ診断や膀胱がんのスクリーニングなど、ほぼ50の臨床タスクで95パーセントを超える精度を達成した。

 研究チームは、この大規模言語モデルは、病理医の作業負担を大幅に軽減し、医療画像のレビュー効率を高めることができると話している。「中国信息通信研究院」が発表した「グローバル・デジタル・エコノミー白書」によると、世界全体で1300を超えるAI大規模言語モデルがあり、中国はそのうち36パーセントを占め、米国に次いで2番目に多い国となっている。【翻訳編集】東方新報/AFPBB News|使用条件