【AFP=時事】米IT大手グーグル(Google)は週末、自社が開発した生成人工知能(AI)に憧れの選手宛てのファンレターを書くのを手伝ってもらうという内容のCMを発表し、パリ五輪を見ていた視聴者の一部の反発を招いた。
「Dear Sydney(親愛なるシドニーへ)」と題したCMは、グーグルの対話型AI「ジェミニ(Gemini)」の機能をアピールしたもの。少女が同ツールを使って米国のハードル選手シドニー・マクラフリンレブロン(Sydney Mclaughlin-Levrone)に宛てたファンレターを書くのを父親がほほ笑ましい雰囲気で紹介する内容になっている。
だが一部の視聴者は、親が子に自分を表現するのを学ばせるのではなく、AIに頼るよう推奨していると批判。SNSには、AIによって人間の創造性が衰退するディストピア的な未来を示唆しているのではないかなどの投稿が相次いだ。
米シラキュース大学(Syracuse University)のシェリー・パーマー(Shelly Palmer)教授(先端メディア学)はブログで、「これまでに見た中で最も不愉快なCMの一つ」とし、「こういうことは、AIを使って絶対にやってほしくない」と非難している。
作家のリンダ・ホームズ(Linda Holmes)氏はSNSのブルースカイに、「AIを使って子どもに自分のヒーローへのファンレターを書かせるなんて、ひどいCM」「AIが書いたファンレターなんて欲しがる人いる?」と投稿している。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件