三重県と新潟県　離れているけど役場は一緒　桑名市と三条市「メタバース役所」実証実験

　大日本印刷（以下、DNP）は、自治体の各種サービスをメタバース空間で利用できる「メタバース役所」を、三重県桑名市と新潟県三条市のDX実証事業に提供することを発表した。2024年8月26日から開始され、相談窓口の機能など自治体サービスの一部が仮想空間で利用できるようになる。メタバース役所を共同利用することで両市は連携を図り、住民サービスの向上や災害時の事業継続計画（BCP）の拡充・有効性を検証する。実証実験の概要は下記の通り。

　メタバース役場は、複数の自治体で共同利用できるシステムで、自治体サービスの負担軽減や、システムの運用負荷、維持コストも抑えることができる。

　桑名市とDNPは2024年2月に連携協定を結び、メタバース役所の実証事業を開始していおり、その中で子育て相談会や職員採用説明会などを行ってきた。今回は、DNPと持続可能なまちづくりに関する協定を結んでいる三条市も参画し、離れた地域の自治体間での連携モデルの有用性を検証する。

　人口減少社会で自治体サービスを維持していくには業務の省力化が必要となり、メタバース空間での行政サービスの提供はその解決策の一つとなりうる。現時点では、その利用は相談や交流会にとどまっているが、この先、書類の交付や電子申請などもメタバース上で完結するようになれば、利便性は大いに高まることだろう。