【AFP=時事】人工知能(AI)による作品の無断使用について警告する声明に世界のアーティストら約1万1500人が、22日までに賛同署名した。音楽界から文学、映画、舞台芸術まで幅広いアーティストが参加している。
簡素な声明には「クリエーティブな作品を無断で生成AIのトレーニングに使用することは、制作者の生計に対する重大かつ不当な脅威であり、許されるべきではない」とある。
声明に署名したアーティストには、スウェーデンの伝説的ポップグループ「ABBA(アバ)」のビヨルン・ウルバース(Bjorn Ulvaeus)さんや英バンド「レディオヘッド(Radiohead)」のトム・ヨーク(Thom Yorke)さん、ハリウッド俳優のジュリアン・ムーア(Julianne Moore)さんやケビン・ベーコン(Kevin Bacon)さん、ノーベル賞作家のカズオ・イシグロ(Kazuo Ishiguro)さんや人気推理作家のジェームズ・パターソン(James Patterson)さんらが含まれている。
ハリウッドでは近年、AIを使った実験が行われている。故人となった映画スターをリアルな「デジタルレプリカ」で復活させたり、戦闘シーンに出演する俳優の数を減らすためにAIが生成した集団の画像を使用したりといった試みが行われている。同様の懸念は他のクリエーティブ業界にも広がっている。
英紙ガーディアンによると声明の発起人は、英国の作曲家で生成AI企業元幹部のエド・ニュートンレックス(Ed Newton-Rex)氏。
同氏はガーディアンに対し、生成AI企業はオリジナルのクリエーターに使用料を払わずに無断で、著作権で保護されたコンテンツをAIのトレーニングに使用していると指摘。「AI企業が作品を『トレーニングデータ』と呼ぶとき、人間性は失われている。だが、われわれはクリエーターたちの作品について話しているのであり、それは彼らの著作、芸術、音楽だ」と述べた。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件