【AFP=時事】バチカン(ローマ教皇庁)は11日、人工知能(AI)と40万枚の写真を基に、サンピエトロ大聖堂の細部に至るまでをバーチャル鑑賞できるプロジェクトを発表した。
同聖堂の専用サイトでは12月1日から、2026年に建立400周年を迎える大聖堂がローマ時代から現在までどのように進化してきたかを見ることができる。また地下洞窟や、建物の頂上にそびえる壮大なドームを探索できるバーチャルツアーも用意されている。
プロジェクトの実施に当たり、バチカンは米IT大手マイクロソフトに協力を依頼。同社はドローン撮影による40万枚の写真に基づき、大聖堂の建築や絵画、彫刻の細部に至るまでを再現した。
同社のブラッド・スミス社長は記者会見で、2年がかりの作業によって大聖堂の「デジタルツイン(デジタル技術による複製)」が作成されたと述べ、「この種のプロジェクトとしては最大規模」だと説明。40万枚のドローン撮影画像に含まれる「膨大なデータ」をAIで活用し、大聖堂を再構築することができたと語った。
サンピエトロ大聖堂の首席司祭マウロ・ガンベッティ枢機卿は同プロジェクトについて、「デジタル技術の助けを借りて、大聖堂を世界で唯一無二のものにしている歴史、芸術、精神性を現代人が読み解くことを目的としている」と述べた。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件